小さいけれど大きな存在「足の小指」は健康のバロメーター

2018.3.15

livest!編集部

アラフォー世代の〝運動事始〟

あなたの足の指は動きますか?

「足の小指」の動きで健康度を診断

木場克己

「足の小指」の存在を普段から意識しているという人は少ないだろう。

体の端っこにちょこんと存在する、その名の通り小さい指が、じつは私たちの健康をはかる上でとても重要な存在であるのだ。

裸足になって足を延ばした状態で座り、足の指を動かしてみよう。グー、パー、そしてチョキ。手の指と同じような感覚でジャンケンの動きをしてみた時に思い通りに動く人は意外と少ない。ほとんどの人はグーはできても、パーになると怪しくなり、チョキはほぼできないはずだ。

本来の足の指は手の指と同様とまではいかなくとも、握ったり、開いたり、チョキのようにそれぞれの指で別の動きをすることができる構造になっている。しかし、普段の生活で靴を履いて行動することが多い現代社会では、足の指を動かさなくても問題なく生活できるため、徐々に足の指が動きづらくなってしまっているのだ。

『でも普通に生活できているのであれば、問題ないのでは?』と思う人もいるだろう。

確かに、このままでも普段の生活には問題ないかもしれない。けれど、足の指は体の体重を支えたり、移動方向を変える時に地面を踏み込んだりするなど、私たちの生活の中で重要な役割を担っている部位であり、ここの動きが悪くなることで、体重を支えるバランスが悪くなったり、理想的な歩き方ができなくなったりすることがあるという。

実際、腰痛やヒザ痛で悩む人が、足の指の動きを促進する体操を続けたところ、痛みが改善されることもある。

それは、体重のかかり方がアンバランスな状態で生活することで腰やヒザに過剰に負担がかかって痛みが出ていたのが、足の指が本来の働きをすることでアンバランスさが改善されて、腰やヒザに負担がかかりづらくなった結果、痛みの改善につながったといえる。

「足の指を使わないと土踏まずのアーチがなくなり、扁平足になっていきます。じつは土踏まずは歩く際にクッションとなる重要な役目を果たしているのですが、扁平足になると足のクッション性が失われてしまい、歩く際の衝撃を膝や腰がダイレクトに受けてしまう。その結果、O脚やX脚がひどくなったり、膝痛や腰痛に悩まされるようになってしまうんです」

そう教えてくれたのは、体幹トレーニングの第一人者として活躍する木場克己トレーナー。

女優の平愛梨さんと結婚を発表したサッカー日本代表の長友佑都選手やJリーグ最年少記録を更新するサッカー界期待のホープとして注目されているFC東京の久保建英選手ら、多くのトップアスリートを育てる木場トレーナー。アスリートだけでなく、いまやライブチケットが取れないほどの人気グループBACK NUMBERや元ファンキーモンキーベイビーズのファンキー加藤さんら、トップアーティストからライブツアーの同行をオファーされるなど、その活躍はスポーツ界にとどまらない。

そんな木場トレーナーに、足の指の「健康チェック法」と、足の指を鍛えて本来の働きを取り戻すための簡単なトレーニング法を教えてもらった。

体幹トレの第一人者

木場克己トレーナーが教える

「足の指」健康チェック法

イスに座るか床に座って足を伸ばし、足の指をパーの形にする要領で開いてみてほしい。

すべての足の指の間を開くことができれば問題なし。しかし、実際はキレイなパーの状態にならない人が多い。

「特に薬指と小指の間が開かないことが多いんですが、この状態はさまざまな脚のトラブルを誘発する危険信号と言えます」と木場トレーナーは指摘する。

 

木場式「足の指」健康チェック法①

イスに座り、脚を上げ、両足の指を開いてみる。

<足の指が開かない>→悪い状態

<足の指が開く>→良い状態

 

木場式「足の指」健康チェック②

(1)イスに座った状態で、小指の下に紙を1枚入れる。
(2)紙が抜けないように小指に力を入れる。
(3)反対側から紙を軽く引っ張ってもらい、抜けるかどうか確認する。

(4)小指の下に紙を入れる

(5)小指で押さえている紙を引く

簡単そうに見えるが、やってみると紙がスッと簡単に抜けてしまって驚くことだろう。これは、普段の生活で足の指を使わないでいるために、脚の指の力が低下しているためだ。

「足の指が使えないままだと、足にかかる体重のバランスが悪い状態で活動することになり、腰やヒザに過剰に負担がかかってしまいます。その結果、O脚や膝痛が悪化する危険性が高くなってしまうんです」と木場トレーナーは注意を促す。

 

 

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