限界を決めるのも自分、超えるのも自分

2019.6.4

安彦考真

安彦考真のリアルアンサー「J3リーグ第10節を終えて」2019年6月2日

J3リーグ第10節「アスルクラロ沼津 vs. Y.S.C.C.横浜」の一戦が6月2日、愛鷹広域公園多目的競技場にて行われ、アウェーのYS横浜が3-1で勝利した。

普段は劣勢の試合の終盤、流れを変えることを期待されての起用が多かった安彦考真選手だが、この試合では勝っている場面で投入された。監督の中で安彦考真選手の評価や起用方針が変わったのか、それとも何か別の理由があるのか。

連敗ストップを果たしたYS横浜は15位となったが、7位のガンバ大阪U-23とは勝ち点はたったの3。各クラブ年間34試合戦う大混戦の今シーズンのJ3は、次戦で3分の1を迎える。

YS横浜は順位だけ見れば下位に位置するが、勝ち点差を見ればまだどのチームにも上位の可能性がある今シーズンのJ3は、これからは夏に向けてチームの総合力が試される時期に入っていく。初めて指揮をとるシュタルフ監督が日本サッカー界に大きなサプライズを起こすためにはスタメン以外の選手たちの奮起が必須となるだろう。

41歳のオールドルーキーにとっても、本当の真価が問われるのはここからだ。そのことを何より一番理解しているのは、もちろん本人だろう。

ここまで10試合中5試合に途中出場。実質初めてとなるシーズンでのペース配分も徐々に掴んできたはずだ。そろそろサッカー界を驚かせる活躍を見せてくれると期待したい。

リアルアンサー
2019年6月4日

Y.S.C.C.横浜

安彦考真

「安牌を切る」自分を捨てる

アスルクラロ沼津との試合は3-1で勝利。試合終了の笛の音をピッチで聞く。高揚感と安堵感が入り混じり、普段では味わえない格別な瞬間だ。

しかし、この格別な感覚は単に勝利の高揚感だけでは手に入れることはできない。そこに安堵の気持ちがあるからこそ、格別なんだと思う。

昨日の試合、勝利の瞬間に今までにはない感情が込み上げてきた。そして同時にあることにふと気がついた。

僕らは勝利を求めて日々努力をしている。結果的に負けてしまった試合の練習でも、もちろん常に同じだけの努力をしている。でも、その中で自分の努力が向かう方向がいつの間にか変わっているのではないか。そう感じたのだ。

僕はプレシーズンの時は「スタメンを取る」ことを目標に練習に挑んでいた。
41歳のオールドルーキーが試合で躍動することで、「日本サッカー界に大きなムーブメントを起こせるのではないか」という好奇心がそこにあった。

でもプレシーズンが進むにつれて、進(昴平)や(浅川)隼人との差を感じ始めるようになっていた。そして、知らず知らずのうちにスタメン奪取から目を逸し、18人のメンバーインを目指すようになっていた。
その結果、いつもベンチ入りメンバーの発表の際にドキドキしている自分がいた。メンバーから外れることを内心とても怖がっている自分がいた。
この心境の変化は自ら意識してのものではなかった。ただ生存本能として自然と脳が安定を求めてしまっていたのだ。

ある日、僕はいつの間にか自分が「ビビっている自分」「妥協している自分」に変わっていたことに気がつき、愕然とした。

成長したければ、少しくらい無理な課題を自分に課して、そこに向かって突き進むマインドの環境づくりが必須だ。
僕は再度「スタメン奪取」を目標に掲げ、その実現のために揺るぎない努力をする覚悟を決めた。

するとどうだろうか、メンバー入りするしないにさほど興味はなくなった(全部と言えば嘘になるが)。

僕が目指すのはスタメンだ。得点を量産している2大ストライカーからポジションを奪い、誰もが「YSCCのFWは安彦だ」と思ってもらえるようになることが、今の僕の目標だ。

出場することやゴールすることではない。それらは単にスタメンという目標を実現する過程に過ぎない。
この決意を実現しようと努力を積み重ねていれば、その過程でたとえメンバー外になっても僕はブレることはない。

自分の努力の価値は自分で作る。その評価を周りがする。
評価を気にするのではなく、自分が何を目指し、そのために何をしているかが重要だ。

目を覚ませ!
リミッターを外せ!
甘えるのは終わりだ!

僕はスタメンを取る。チームが調子いい時にスタメンを奪う。だから進、隼人よ、ゴールを決め続けて勝利に貢献してくれ。
そこにこそ僕の存在意義がある!

次の北九州戦に向け戦いは始まっている!!

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