レジェンドから学んだ人生哲学

2019.7.1

安彦考真

安彦考真のリアルアンサー「J3リーグ第14節を終えて」2019年6月29日

J3リーグ第14節「藤枝MYFC vs. Y.S.C.C.横浜」が6月29日(土)、藤枝総合運動公園サッカー場で行われ、3-1でホームの藤枝が勝利した。

藤枝はこの勝利で4位となり、上位を快走する九州勢の2チーム、ロアッソ熊本とギラヴァンツ北九州を追走。自動昇格枠を見据える。

一方敗れたYS横浜は9位まで勝ち点差は3の一方、最下位AC長野パルセイロとの勝ち点差も僅か2という大混戦の中で15位に位置する。

J3はまだ20節を残す前半戦の真っ只中。18チームがそれほど差がない状態でここまで進んできた中で、YS横浜は攻撃陣は奮起しているものの勝利が続かずなかなか勢いに乗り切れない。

毎試合ゴールする好調な攻撃陣の中、ベンチで試合終了のホイッスルを聞く試合も増えてきた安彦考真選手。
日々の練習と毎週末の公式戦との繰り返しの中で、初めて経験するシーズンを通して戦うための手応えと課題を見つける日々だ。

藤枝との悔しい敗戦の翌日に組まれた練習試合で横浜FCと対戦したYS横浜。この試合で先発出場を果たした安彦選手にとって大きな収穫を得たのは、交代で退いた後半だった。

サッカー界のレジェンドのプレーをベンチから見つめることで感じたこと。同じJリーガーとして、そして永遠の憧れを見つめる〝サッカー少年〟として、安彦選手が三浦知良選手の姿から得た収穫とは?

リアルアンサー
2019年6月30日

Y.S.C.C.横浜

安彦考真

キングカズから学んだその生きざま

負けた理由を絶対に仲間のせいにしないーーそれは僕がずっと続けている唯一のルーティンかも知れない。

週末の試合は1-3の負け。負けから学ぶ必然を徹底的に自分に落とし込み「自分ごと」にしなければ、そこから本当の意味で何かを得ることはできない。特に1分も出場できなかった僕にとっては、絶対的に必要な分析だ。

試合翌日はその分析を元に横浜FCと練習試合だったが、結果は4-2で勝利。スタメンで45分の出場。ゴールすることはできなかったが、収穫はあった。

それはサッカー界のレジェンドの姿を見て、"安彦考真"という人間がどんなことを身をもって示すべきかということに改めて気づけたこと。

どんな状況であっても挑み続けること。その姿勢が重要であり、その姿勢を示し続けることが自分の存在意義なんだと改めて感じた。たとえ何か批判的なことを言われたとしても、自分が表現したい世界観をサッカーという舞台で表現する。そのことが大事なんだ。

この日の練習試合の後半、ケガから復帰したばかりの三浦知良選手が出場した。

自分は前半で交代したため残念ながらピッチ上で直接対決することはできなかったが、ベンチから彼の動きをずっと追い続けた。

52歳という年齢はしっかり感じる。ケガあがりの復帰戦ということを差し引いても、20代や30代と同じようなスプリントができるわけではなかった。
しかし、常に味方選手にボールを要求し続け、パスを受け取れなかった時は大きく悔しがり、自分の子どもほどの年齢の相手選手に削られてピッチに倒れ込む。そのカズさんの姿にはまったく悲壮感はなかった。

カズさんが人を惹き付けるのは、きっとそこに彼の「生きざま」が見えるからだなんだろう。

確かに戦力という観点だけでプレーだけをみれば様々な議論が生まれるかもしれない。そこは否定できない。しかし、どの選手よりもサッカーが好きでゴールを奪いたいという想いが一挙手一投足から溢れ出ていた。

よく考えてみると、カズさんほど周りの目を気にしない人はいないのではないか。

52歳がプレーしている姿をみんなが「どこまで動けるの?」という目で見る中、それを一切気にせず大好きなサッカーに没頭しているカズさんへのリスペクトは止まない。

52歳が周りを気にせず失敗を恐れずここまでやっているんだ。

おい、チームメイトの若い奴ら!
言い訳せずに戦えや!
そして中堅!もっともっと上見て戦えや!
ベテラン、自分で限界決めんなよ!!

最後に、安彦!!

もっとリミッター外して挑め!
つまらん男になるな!!
生き様見せてカズさんを超えろ!

今日は、最高の練習試合だった!

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