カラダ全体の健康を206の骨からイメージする

2018.3.31

livest!編集部

 「カラダを構成する筋肉や骨」それぞれに着目する視点を持つことの重要性

「話題の書籍から見た健康への意識」

livest!編集部

 アラサー&アラフォー世代がめざすべき、「人生100歳」時代を見据えての健康へのアプローチ

すべての人の体は等しく206個の骨で構成されている。そのすべての骨は人が生活するためにそれぞれ重要な役割を担い、日々黙々と自らの役割を全うしている。その一方で、それらの骨の所有者であり、骨たちに支えられている私たち自身は、206個の骨の名前も役割もほとんど知ることのないまま当たり前のように生活している。

30代、40代に入り、アラサー、アラフォー世代となると、日々の生活の中で、肩コリや腰痛、倦怠感や内臓疾患など、さまざまなカラダの不調を経験するが、そのたび、その痛みやトラブルの源泉となっている部位ばかりに注目して、薬や休暇、マッサージなどで不調を解決しようとしている。

しかし、それらのカラダの不調の遠因については、深く分析しようと意識している人は意外と少ない。腰痛であれば腰のマッサージを念入りに行い、外反母趾になれば矯正具などを使って改善しようとするが、ほとんどの場合が完治することはなく、結局、騙し騙し不調と付き合うことを選択してしまっている人が多いはずだ。

今、1つ1つの骨にフォーカスを当てて健康へのアプローチを試みる考え方が注目を集めている

最近、書店やamazonなどで美容健康関連の本カテゴリーの中で、206個の骨のうちのいずれかの骨に着目した健康法を提唱する本が存在感を増している。

例えば「距骨」。すぐにこの骨の名前を読める人、この骨がある場所を知っている人、役割を知っている人はそんなに多くはないだろう。この骨、「きょこつ」と読み、脚と足を繋ぐ場所に位置し、歩行や運動に重要な役割を果たしている。

マガジンハウスより発行された「距骨を整えれば不調が治る!」の著者、志水剛志さんは、本の中で、「距骨の歪みが、背骨や骨盤の歪みなど、カラダの不調に関与している可能性が知られ始めています。日々酷使されても痛みの信号を発しない距骨をセルフケアで労わることで、不調を未然に防げます」と語っている。

アラサー&アラフォー世代が感じる〝カラダの不調〟は原因は1つではなく〝経年劣化〟の積み重ね

カラダの不調は、原因が1つだけであることはほとんどなく、たいていはさまざまな遠因が絡み合った結果、カラダがそのトラブルの蓄積に耐えきれずにSOSとして痛みや不調を発信することで生まれる。

人のカラダは柔軟で臨機応変に対応するようにできていて、ちょっとしたトラブルなら、別の筋肉や骨などが本来の役割や位置を変えることでカバーし合って日常生活をキープしようとしている。

しかし、そのことでカラダのいろいろな部分で少しずつ歪みや無理が蓄積されてしまい、結果的にトラブル本来の場所とは違うところから痛みや不調が発信されるという場合が少なくない。

アラサー&アラフォー世代のカラダは、30年、40年といった長い期間、私たちの生活や趣味、無理や無茶などを黙って受け入れ、問題なく活動できるように支えてきた結果、至るところに歪みや無理が蓄積され、そのせいで肩や腰などに慢性的なトラブルが発症していると言える。

実際、腰痛を引き起こす可能性が高い筋肉として、腰回りの筋肉はもちろん、太もも裏や脚の内外に位置する筋肉、大中小の臀筋や梨状筋などの臀部の筋肉、多裂筋などの背中の筋肉など、ざっと挙げるだけでもいくつも存在する。

それはつまり、私たちの普段の生活の中で起こす何気無いアクションは、カラダすべての筋肉や骨が複雑に動くことで可能になっているということであり、どこかの筋肉や骨がトラブルを抱えた場合、結果的にそこ以外の筋肉や骨に過剰な負担をかけながら、なんとか日常生活をキープしようするメカニズムが働いているということだ。

アラサー&アラフォー世代が美容健康のために、取り組むべき最初の学び

肩コリや腰痛に悩む人にとって、まずは痛みや違和感を取り除くことが最優先になることは仕方がない。ただ、不調の改善を治療してくれる先生に任せきりにするのではなく、治療の際にアプローチされた筋肉が何という名前で、どういう役割を担っているのかを頭に入れた上で施術を受けることで、自分の身体のSOSの真意を推測することが大切だ。

そのためには、積極的に筋肉や骨の構成や関係性を学ぶ姿勢が必要となる。自分の身体を構成する骨や筋肉全体の構造や関連性を知った上で、距骨や多裂筋といった1つの骨や1つの筋肉のことを知る--健康が気になり始めたばかりのアラサー&アラフォー世代にとって、この学びこそ、これからの健康的な人生をスタートする上で、まず最初に始めるべき行動かもしれない。

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