腰痛を引き起こす「多裂筋」ってどんな筋肉?

2019.3.13

livest!編集部

長時間デスクワークによる腰痛を予防&改善する簡単セルフケア

デスクワーク腰痛を改善する簡単セルフケア

 

寒さは和らいで春を感じるこの時期、多くのビジネスパーソンにとって特に多忙の季節となる。

3月は年度末であり、今月中に終えておかなければいけない業務に追われつつ、新年度の準備も並行して対応しなければならない。自然と残業が増えて、デスクワークの時間が多くなるこの時期のビジネスパーソンにとって、要注意なのが腰痛だ。

パソコンに向かって長時間同じ姿勢でいると、無意識に背中が丸まり、腰に負担がかかった姿勢になってしまいがち。そのまま何時間も過ごせば、腰が悲鳴を上げてしまうのは当然だ。

その患者数は潜在的な人を含めると数千万人とも想定され、日本人の10人1人は腰痛持ちとも言われるが、腰が痛いくらいではなかなか仕事は休めない。年度末と新年度を迎えるこの繁忙期はなおさらだ。だからこそ少しの痛みなら無理してしまう。積み重なった疲労は、たまにマッサージに行ったり鍼を打ったりしたくらいでは気休めにしかならず、気がつけば年々状況は悪化するばかり……。

 

ボディケアのプロが教える腰痛の主な原因

長くメジャーリーグで活躍し、今シーズンから日本球界に復帰する岩隈久志投手(巨人)が創設し、現在は共同オーナーとして運営にも携わっている本格的な複合型スポーツ施設「IWA ACADEMY」で、岩隈投手の体のメンテナンスだけでなく、多くのアスリートや一般の人のボディケアを担当する渡邊健二さん。

渡邊さん曰く、「来店して治療を希望する人の一番多い悩みは、やはり腰痛」とのこと。さらに、たとえまだ痛みは出ていなくても、ほとんどの人が将来的に腰痛持ちになる可能性がある予備軍でもあるという。

多くの人の痛みと向き合って培った経験をもとに、今回、渡邊さんに自分で簡単にできる腰痛緩和のコツを教えてもらった。

 

腰痛改善のカギは「多裂筋」

「腰痛の原因は多裂筋です」と渡邊さん。

多裂筋? なんだか聞きなれない名称だが、渡邊さん曰く「見逃されがちだけれど、じつは腰痛の悩みの元になっている可能性が高い腰の筋肉」とのこと。「多裂筋とは腰椎付近にあるインナーマッスルの1つ。特に右の多裂筋がかたくなってしまっている人がほとんどで、この筋肉のコリが腰の痛みを誘発しているんです」「人間の体の構造上、右側の腰が悪くなりがち」だそうで、「日本人の9割くらいは右の多裂筋に問題を抱えている」と渡邊さんは言う。

多裂筋とは、背中の脊柱、いわゆる背骨に付着し、首の頚椎部から腰まで連なる細かい筋肉。インナーマッスルでもあるため、普段の生活では存在を感じづらいが、さまざまな複雑な動きをする人間の体の構造上、非常に重要な役割を担っている縁の下の力持ち的存在。

「この重要な筋肉である多裂筋がこり固まってしまうと、その影響で骨盤が反りぎみになってしまい、結果、腰の痛みの誘発につながるんです」

逆に言えば、この多裂筋の特に腰あたりの筋肉をほぐすことで腰痛が緩和される場合が多いということだ。

「本当は専門家に治療してもらうのがベストですが、あえて自分で簡単にほぐすなら……」と、渡邊さんはセルフケアの場所を教えてしてくれた。

 

※背骨に沿った青い部分の筋肉が「多裂筋」

 

自分でできる簡単腰痛改善ケア

 

1.自分の「多裂筋」を見つける

①立ってでも椅子に座ってでもOK。背筋を伸ばした状態で、手を腰付近の脇腹あたりに置く

②背骨の左右に盛り上がっている部分を見つける

2.多裂筋をほぐす

①背骨の左右の盛り上がっている部分に4本の指の腹を少し強めに当てる

②指の腹で押されて気持ちいいと感じる場所を見つけたら、その部位を指で押しながら5秒間状態をキープ

③指で盛り上がった部分を押さえながら体を右後ろに大きく傾ける

④同じように今度は左側に体を大きく傾けて5秒間キープ

⑤これを左右で各5回ずつ繰り返す

3.さらに多裂筋をほぐす

①仰向けに寝転がる

②右手を背中の腰の位置に差し込み、握りこぶしを作る

③背骨の左右に盛り上がっている部分の右側に、右手の握りこぶしの突起した硬い部分を当てる

④力を抜いた状態で、腰を中心に左右に揺らして、筋肉をほぐしていく

⑤20回揺らしたら、同じように左手で左側の筋肉をほぐす動作を繰り返す

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