「食」で肉体は蘇る!40歳Jリーガーの体質改善物語(第1回)
40歳で子どもの頃からの夢だったJリーガーとなった安彦考真選手。
ケガによって20代で早々に現役引退後、20年のブランクを経て改めてトップアスリートの一員となった安彦選手。40歳の彼の肉体は、数値上は20代の選手にも負けないものだった。
しかしその常人離れした肉体でさえ、プロサッカーという過酷な勝負の世界で戦い続けることは難しかった。
自分の子どもほどの年齢の選手たちと対峙するために、常に全力を出し続ける必要があった。40歳を超えた肉体にとって、その負荷と疲労の蓄積は想像以上だった。
3年目のシーズンを迎えた2019年、安彦選手の肉体はすでにボロボロだった……。
ケガ続きのシーズンを終え、ラストイヤーと位置付けた2020年。最終年に最高の結果を残すべく、安彦選手は闇雲に体を鍛えるのではなく、体質を根本から改善することを試みる。
これは40歳でJリーガーとなった1人の男が徹底的に「食」を見つめ直し、さまざまな療法に取り組んだプロセスを赤裸々に語る物語だ。
「食」に関するさまざまなアプローチを実体験し、その時々の心境や結果を正直に綴った安彦考真選手による「40歳から始める体質改善」のリアルストーリー。
「食」で肉体は蘇る!40歳Jリーガーの体質改善ストーリー
vol.1
ケガ続きの2019シーズン。40歳の肉体の限界……
安彦考真
昨年の8月、僕は練習中に左肩を脱臼した。
全治4週間。つらいリハビリから復帰した3週間後、今度は右膝の半月板を損傷した。
診断は全治3ヶ月。このままでは今シーズン中の復帰は間に合わない。
過酷なリハビリを乗り越えた矢先のケガに、一瞬心が折れかけた。
若手選手なら今シーズンは諦め、来シーズンに万全の状態で望めるようにまずはゆっくり休養し、復帰に向けたメニューにじっくりと臨むだろう。
けれど、40歳を過ぎた僕にとっては来シーズンも現役でいられる保証はない。
なんとしても今シーズン中の復帰をめざし、厳しいリハビリメニューに耐えた。
そして、予定より1ヶ月も早い2ヶ月後の復帰を果たした。
その時、リーグ戦は残り3試合。
「今度こそ」という思いで練習に取り組んだ。しかし、復帰して2週間目。今度はふくらはぎを肉離れし、ここで僕の2019年シーズンは無念の終了となった……。
正直、短いスパンで無理なリハビリを繰り返したことで、僕の身体はボロボロだった。
ケガ続きでチームに貢献できていなかった40オーバーの僕に、それでもチームは翌シーズンの契約継続オファーをくれた。
ラストチャンス。僕は2020年シーズンを最後のシーズンと決めた。
強い決意を胸にスタートを切った1月21日。
チームの始動日の全体練習の輪の中に、しかし僕の姿はなかった……。
僕は1人、リハビリメニューからのスタートとなっていた。
ラストチャンスを最高の結果で終えるため、僕は強い決意を持って2020年に入ってすぐ自主トレをスタートしていた。
正直、昨秋にケガしたふくらはぎの痛みはまだ取れていなかった。それでも、チームの始動日に万全の状態で臨むため、パーソナルトレーナーと二人三脚でじっくり4週間をかけて復帰メニューをこなし、体を鍛え抜いた。
体中の古傷は騙し騙しだったが、なんとかチームの始動日に間に合わせた……つもりだった。
しかし、チーム練習が始まってすぐ、今度は内転筋を痛めて離脱。
僕は自分自身の不甲斐なさにかなり落ち込んだ。
ここからまた40代の僕の、孤独な1ヶ月以上のリハビリがスタートしたのだった——。
(つづく)
Vol.2はコチラ→(http://www.livest.net/real/4833.html)