「食」で肉体は蘇る!40歳Jリーガーの体質改善物語(第4回)
40歳で子どもの頃からの夢だったJリーガーとなった安彦考真選手。
2020年シーズンをラストイヤーと決めた安彦選手だったが、満身創痍の身体は思い通りには動いてくれなかった。
コロナウイルス感染拡大の影響でリーグ開幕が延期されたことで心身を再調整する時間を得た安彦選手は、まず体質を根本から改善することを試みることにした。
これは40歳でJリーガーとなった1人の男が徹底的に「食」を見つめ直し、さまざまな療法に取り組んだプロセスを赤裸々に語る物語だ。
「食」に関するさまざまなアプローチを実体験し、その時々の心境や結果を正直に綴った安彦考真選手による「40歳から始める体質改善」のリアルストーリー。
第1回はコチラ→ http://www.livest.net/real/4827.html
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「食」で肉体は蘇る!40歳Jリーガーの体質改善ストーリー
第4回
僕を変えるきっかけとなった1本の電話
安彦考真
僕に残された時間は限られている。
いまだ今シーズンの開幕予定は決定されていないが、それでも僕のリミットは今年いっぱい。
今後どんなレギュレーションに変更されるかはまだ分からないが、通常でいけばJ3は19チーム総当たりによるレギュラーシーズン、そこに中断中の県大会を勝ち上がれば出場できる天皇杯も含めても、僕が現役Jリーガーとしてプレーできる機会は50試合に満たないだろう。
そして、同時進行している「二足目の草鞋」。僕が手掛けているサッカー界の枠を超えたプロジェクトについても、現役Jリーガーとして取り組める時間は長くて8ヵ月あるかないか。
今の僕には立ち止まっている暇などないのだ。
まず今、僕が最優先に取り組むべきことは決まっていた。
それは心身を万全な状態に戻し、やるべきことに全力投球できる気力体力を回復させること。
この土台が整わないまま走り続ければ、きっとどこかでパンクして、絶対に避けたい途中リタイアの危険性が高まってしまう。
では、さて何から始めるか。
僕は熟考した結果、今ある心身を鍛え直す前に、トレーナーたちによるトレーニングメニューが最適値で身につく心身に整えることだと考えた。
どれだけ一生懸命に心身を鍛えようとトレーニングしても、自分の身体が整っていなければ効率が悪いだけでなく、むしろ逆効果になってしまう危険性もある。
僕の周囲にはチームトレーナーがいて、チームドクターがいて、僕のことを熱心にサポートし続けてくれているパーソナルトレーナーがいる。優秀な栄養士もそばにいてくれた。
外からのアプローチは完璧だ。
足りないのは……。
彼ら彼女たちの僕をサポートするパフォーマンスが最大限の効果を引き出すための、僕自身の身体の根本を見つめ直すこと。
トレーニングの効果を阻む体内の要素を抜き去り、ある意味、真っさらな状態にリセットすることだと考えた。
筋肉系のケガは年齢とともに発症しやすくなるのは仕方ない。これはトレーニングメニューやタイミング、入念なケアで対処すればいい。
けれど、花粉症や便秘、高血圧などは、僕が自分の身体を見つめ直し、食事などで改善するしかないだろう。
1年間ベストな状態で戦い抜ける心身になるために、まずどのように食事改善すればいいか。
僕はまめに血液検査もしていたし、体重や血圧、体温などの日々の数値管理も徹底していた。そして、その数値をもとに、必要な栄養をサプリメントで補っていた。「自分がやれることはやってきた」そう思っていたが、そうではなかったのだ。
結局、専門家の方から数値を出してもらっても、その数値をもとに対処法を考えるのは自分。結局は素人判断の非効率なやり方を一生懸命になってやっていただけだったということに気づいたのだ。
そんなことを考え、「ではどのようにすればいいか」を模索している中、忘れもしない3月16日、僕の携帯電話が鳴った。
僕は電話が嫌いなのでほとんど取らないのだが、直感的に「これは出た方がいい」と感じ、すぐに通話ボタンを押した。
電話はパーソナルトレーナーからだった。
彼は唐突にこういった。
「食事を変えてみませんか?」
(つづく)
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