多くの人が自分のことや自分らしさについて意外とわかっていない
編集長のlivest!ログ
2019年1月21日
情報の洪水の中で自分らしさを見失っていないか
自分のことを自分が一番わからない。
このことを実感するのは自分のことより、周囲の人の行動からの場合が圧倒的に多い。
ある20代が上司に「若い感性に期待している」と言われて、どうしていいかわからないと嘆いていた。
そのグループには同世代がおらず、ほとんどが30代、40代。必然的に若い消費者の気持ちは、20代であるその若手が代弁する役割となったらしい。
「自分はそんなにトレンドに敏感なタイプではないので」と言って、必死でインスタを漁ったり、ツイッターを見て今の若い人のトレンドを追っていた。
「若い感性」を期待されて、期待に応えようとスマホとにらめっこしながら、流行っていそうなトピックを一生懸命書き出していた。
同世代の流行に敏感な人たちと比べて、自分の感度の鈍さをマイナスと捉えてしまっていた。
しかし、30代や40代の上司から見れば、どんなに優秀な人でも20代の感性をそのまま体現することはできない。一方で、スマホから情報を漁ることは、30代、40代でもできなくはない。
20代の若手は「自分の好みは特定のジャンルに偏っているから期待に応えられない……」と勝手に思い込んでいたけれど、30代、40代の上司からすればその好みでさえ、自分ではキャッチできない20代ならではの感性だ。
通勤電車の中ではほとんどの人がスマホの画面を覗き込んでいる。
そのスマホの中には消費しきれないほどの大量の情報が洪水のように溢れ出している。
その大量の情報の中からどの情報をピックアップするかは、その人の感度次第だ。そしてその感度は他の人は真似できないものだ。
逆に自分の好みを抑えて、世の中の人が興味を持ちそうな情報をピックアップすることで、その人の感度は他者から見ると真似できるものになってしまう。
情報が爆発的に発生し続ける現代社会で、「自分らしさ」を保つためには大衆の流れに迎合することなく自分の感性を信じること。
無意識ではできても意識すればするほど精度が鈍るので、それは簡単そうで意外と難しい。
その20代の若手は「今、若者に流行っているトレンド」の見出しをリストアップではなく、「今、自分が面白いと感じる事項」について、「なぜ面白いと感じるのか?」を追求するべきだ。
上っ面の誰でも得られる情報ではなく、リアル20代のリアルな感性のアンテナがキャッチした事項の理由こそ、必要とされることだろう。
人の振り見て我が振り直せ。
今、世間で話題になっているニュースではなく、自分が今、純粋に面白いと思い、興味津々になっていることを追求すること。今日も電車の中で何気なくスマホの画面を眺めていた今の自分に、本当に必要なことを改めて気づかされた。