「選ばれた人」などいない。誰もが自分で「選んだ人」なのだ
人生を楽しむ「教養を広げる」
溝口肇クリスマスコンサート
キリスト品川教会 グローリア・チャペル
複数の「武器」を持っている人の強さ
「武器」を持つ。
チェリストの溝口肇さんは武器を持っている。
「チェロ演奏の技術」と「曲を創作する才能」という2つの武器。
そして「多くの人を感動させる力」という3つ目の武器を持つ。
その頑丈な根っこ(土台)があることで、その土台をさらに磨きつつ強固なものにしつつ、その頑丈な土台の上にさまざまな新しい取り組みを上乗せし、そのコラボレーションを自身も楽しみ、そして多くの人にも楽しみを与えている。
多くの人は、毎朝同じ時間に起き、同じ時間に家を出て同じ時間の電車に乗り、毎日同じ時間電車に揺られ、同じルートで会社に向かい、同じ時間に会社のエントランスをくぐる。
そのルーティンを当たり前のように、もしくはできるだけ疑問を持たないようにしながら生きている。
それが人間として課せられた当然の日常であるかのように。
そして、そこで得たお金を使って、例えば溝口肇さんのコンサートのチケットを購入し、一流チェリストのコンサートを楽しむ。
1度しかない人生。
毎朝会社に行くこと、そこで毎日働くこと、そこでお金をもらうこと、その「当たり前」を何年も何十年も続けること。
人生のほとんどの時間をそこに費やすこと。
多くの人はそのルーティンを好むわけではないが、避けることのできないこととして受け入れている。
一方で、ステージ上の人たちは同じ人生でもまったく違うルーティンを持って生きている。
「選ばれた人」だからという人もいるだろう。
しかし、それは「選ばれた」のではなく、自分で「選んだ」のだから、「選んだ人」と表現するべきかもしれない。