40代はもう新しい人生を選べない?そんな固定観念は妄想でしかない
編集長のlivest!ログ
2019年1月23日
人生の再挑戦の第一歩に「遅い」という言葉はない
テレビやネットで紹介される活躍中の芸能人やアスリート、そしてビジネスマンやアーティストたち。
彼ら彼女たちはキラキラ眩しくて、その輝きは「さすが選ばれた人は違う」と思わず思ってしまうほど。
自分とは別世界に生まれた、才能と幸運に恵まれた人たちと、最初から自分との間に大きな一線を引いた上で相手を下から眺めるだけ。
テレビやスマホの叩いたらすぐに割れてしまうほどの薄い画面の向こうとは、途方もない距離を感じる……というより、そもそも同じ時間を生きている感覚さえないという人も少なくないだろう。
けれど冷静に自分の人生を振り返って見た時に、一度もチャンスはなかっただろうか?
努力は必ず報われるわけではないけれど、どこかあの瞬間、勇気を出して一歩踏み出していれば……という苦い記憶が誰にでも1つや2つはあるはずだ。
キラキラ輝いて見える人たちは、必ずしも「選ばれた人」ばかりではない。
もちろん圧倒的な天賦の才に恵まれて生を受けた人もいるだろう。けれど、じつは私たちとほとんど変わらないという人がほとんどなはずだ。
彼ら彼女たちは「選ばれた人」ではなく、自ら「選んだ人」たちだ。
40歳を超えて、現役Jリーガーとして今シーズンからY.S.C.C横浜でプレーすることが決定した安彦考真選手。
40歳を超えてからプロサッカー選手をめざすこと自体、常人には考えられないクレイジーな人生の選択と言える。
彼こそは「選ばれた人」ではなく自ら「選んだ人」の代表格だ。
彼はただ無謀な挑戦を続けただけでなく、夢を実現するために「年俸ゼロ円で契約する」ことを条件にJリーグクラブにプロサッカー選手としての契約を提案した。
常人には、まさに無謀に無謀の掛け算でありえない選択でしかないけれど、その結果、40歳を超えたプロ未経験の選手とプロ契約するというJクラブ側のハードルを下げた。そして昨年、40歳でJ2の水戸ホーリーホックとプロ契約を結ぶという快挙を手にした。
彼はただ「夢を叶えたい」と願っただけでなく、常人が選ばないような方法を自ら選択して、そしてそれ以上に努力して、結果、目標を達成した。
普通にサッカーをやっていた40年間、彼は「選ばれた人」にはなれなかった。
しかし、自ら壮大な夢を選択し、その実現のための無謀な条件を選択し、そして多くのサッカー選手の夢でもあるJリーガーというステージに、40歳を超えてから初めて立った。
40代になると、現実というものが痛いほど身に染みて、また自分が「選ばれた人」ではなく天賦の才もないということに気づき、無意識に「選ばない人」というポジションに自ら進んで入ろうとしてしまう。
しかし、テレビやスマホの画面の向こうでキラキラ輝いて見える人たちは、勇気ある一歩を踏み出すことを自ら選んだ人たちばかりだ。
そしてその一歩は早ければ早いほど、夢の実現の可能性を高めてくれることは間違いない。
たとえ40歳を超えていたとしても、最初の一歩に「遅い」ということは絶対にないということを、安彦考真選手は身をもって教えてくれた。