「自分のモノサシ」を取り戻そう

2019.5.7

livest!編集長

いつの間にか他人のモノサシに合わせることを覚えた40代。忘れ物を取り戻そう

人生を哲学的に見つめ、日々考えたことや感じたこと、学び、体験についての思いをまとめ、書き留める「人生哲学研究家」のブログ。

編集長ブログ
2019年5月7日

「自分のモノサシ」を取り戻す

 

誰もが「自分のモノサシ」を持っている。
それは個性でもあり、武器でもある。

本来このモノサシに正解はないし優劣もない。
しかし多くの人が「自分のモノサシ」に対して自覚が足りなかったり自信がなかったりする。
だから所属先の「組織のモノサシ」に自分を合わせて汲々と生きている。

ただ他人のモノサシに合わせるのは息苦しさもあるが、同時に安心感もある。その組織のモノサシに合わせて生きていれば組織から守られている(感じがする)からだ。

ではなぜ他人のモノサシ「組織のモノサシ」に合わせてしまうのか?
それはやっぱり(自覚の有無にかかわらず)組織からお金をもらっているという意識が大きいように思う。

そしてそれ以上に大きな問題は「組織のモノサシ」の多くが明確な基準を示していないことだ。
そんな〝目盛りのないモノサシ〟に対し、勝手に忖度して自分をより縮こませて合わせることで、犠牲を強いている自分を肯定して安穏としてしまっている人が少なくない。
そしていつの間にか人は「自分のモノサシ」を見失っていく……。

サッカーの本田圭佑選手の生き方、発言、行動には常に周囲からの賛否の声がかしましい。

彼は自身の出身地を「アース」(地球)と公言している。
彼はJリーグの名古屋グランパスからプロサッカー選手としてのキャリアをスタートし、世界中のトップクラブを渡り歩き、現在はオーストラリアリーグのメルボルン・ビクトリーFCに所属している。
現クラブは契約延長のオファーを出しているとのことだが、次のシーズンの所属先については未定とし、また新たな地での挑戦を続ける見込みだ。

多くの選手が所属クラブのモノサシに合わせることに汲々とする中、もしかすると本田圭佑選手は地球規模の目線の高さのモノサシで、自身のキャリアも所属クラブもはかっているのかもしれない。

もちろん「そんなことができるのは本田圭佑選手だからだ」という意見もあるだろう。
しかし「今は我慢して結果を出したら自分の好きなようにしよう」と思いながら、いつまで経っても踏ん切りをつけられないままの人が少なくない中、好きなように選んだ先で結果を出すことに専念している本田圭佑選手の逆転の発想は学ぶべき点が多いように思える。

まずは一段高い目線のモノサシで自分をはかる。今いる環境の〝勝手に忖度するモノサシ〟に合わせることなく、また自分が今できるレベルの小さなモノサシを使うのでなく、自分が望むレベルの高さの大きなモノサシで物事をはかってみる。

難しいと思う人もいるかもしれないが、誰に迷惑をかけるわけでもない。そもそも今所属している組織の中でみんなで勝手に忖度しているモノサシ自体が幻想かもしれない。

40代にとって今立っている場所は、社会人となって20年前後歩いてきた地点。社会に出る前と同じくらいの時間をビジネスパーソンとして生きてきた。
そしてビジネスパーソンとしてのキャリアも同じくらいの残り時間の位置に今、立っている。

このままのペースで着実に前に歩いていくというのも1つの正解。そして残りの時間、自分のモノサシを思い出して思い切って駆け出してみるというのも1つの生き方。

急に行動を変えるのは難しいかもしれない。でも意識から少しずつ変えていくことで、近い将来、本田圭佑選手のような「アースのモノサシ」を持つことができるはず。

あとは自分が心から望むか望まないかでしかない。

関連記事