安彦考真の日日「人間力アップ」のための名言集2020.05.30
「能力」があれば頂点へ辿り着けるかもしれない。
しかし「個性」がなければそこへ居続けることはできない。
ジョン・ウッデン
(バスケットボールコーチ)
人間は生まれた瞬間から不平等だ。
いつどこでどんな家系のどんな両親のもとに生まれるか。顔の作り、身体の作り、運動神経や頭脳……。僕たちは自分で選ぶ権利を持たないまま、この世に生を授かった。
だからこの世は不平等に満ち溢れている。
生まれつき長身で身体能力が高ければ、生まれつき速く走る能力が備わっていれば……。
アスリートとしてより多いチャンスを掴む可能性がある。
記録や技術で決定的な差を示すことができる世界トップクラスのプロアスリートたちは、もともと持って生まれた才能に恵まれた人がほとんどだ。
残念ながら、僕は特別恵まれた才能を持って生まれてこなかった。
小学生の時、中学の時、高校の時。僕よりもサッカーの才能を持って生まれて、将来を期待された選手がたくさんいた。
僕が一度も参加したことのない地区選抜の練習や、県選抜の試合に当たり前のように召集される選手もいた。
そんな人の姿を見て、若い頃の僕は「人生って不平等だな」と思ったこともあった。
でも、そんな同年代の期待の星たちの中で、今でも現役プロサッカー選手としてプレーしている同年代の選手はほとんどいない。
僕は能力では勝てなかった相手に、個性の面で逆転できたのかもしれない。
僕は10年刻みの競争では負け続けたけれど、40年単位の競争に勝ち残っている。
でも、安穏とはしていられない。
人生100年と言われる時代。100年単位の競争で敗者の側に逆戻りしてしまっては意味がない。
生まれつき授かった能力は不平等だ。
でも個性は平等に与えられている。ーー僕はそのことに早く気づくことができた。
僕は「才能」という瞬発力勝負には勝てなくても、「個性」という名の長いスパンの競争では勝ち続ける。
そんな気持ちで日々戦っている。