初出場、初勝利……一歩ずつ成長するごとに未知との遭遇があった
J3の第3節、Y.S.C.C.横浜はヴァンラーレ八戸とのアウェー戦に臨み、3-4で勝利。今シーズンの初勝利を飾った。
それはシュタルフ新監督にとってもJリーグでの初めての勝利であり、同時に途中出場した41歳の安彦考真選手にとっても人生初のプロ公式戦出場試合での勝利となった。
前節の初のアウェー戦での8時間のバス移動もあり、また初めてのベンチ入りしてのシーズン経験ということもあり、週中の体調管理の難しさなど41歳にして毎日が未知の体験続きだった安彦考真選手。
そんな中で手にした勝利の直後に、安彦考真選手が心境を教えてくれました。
今回のリアルアンサーは「初勝利を手にして何を想うのか」。
リアルアンサー
2019年3月24日
安彦考真
第3節、初勝利を手にして
残り10分で4-3という打ち合いのゲーム。状況としては4-1リードからの4-3にまで追い上げられた状況。
ホームの八戸は吹雪いてきた雪をも味方につけるイケイケムード。この中でFWとして投入されるときに何ができるのか。それを必死に考えながらウォーミングアップをしていた。
4-1の段階では、時間経過と共に逃げ切りも含め出場我来るかも知れないと思っていたので、狙うはJ3最年長ゴールだった。ただ、その高揚感と裏腹に八戸の猛攻は続き、2点差、1点差と迫られた。
僕の精神コントロールはジェットコースターのようにアップダウンした。(これはテンションの話ではないのであしからず)
1点差に追い上げられたタイミングで、リザーブはFWの僕とDFのタクミ。僕の頭の中ではDFの投入の可能性がよぎりながらも、自分が出たときにできることを必死に精神コントロールと合わせて行っていた。
残り10分。呼ばれたのは僕だ。
役目はこの状況を耐えることと同時に一変させる存在感を示すことだ。そのときにはJ3最年長ゴールのことなど忘れていた。何としても、勝点3を横浜へ持って帰りたい。チームの初勝利に貢献したい。自分にできることを必死にやり切りやり抜くことを考えた。
ピッチに入って感じたのは、ホームの力とそれを必死に耐えしのぐ仲間の姿勢だった。全員が手を抜いて迫られてるんじゃなくて、ホームの勢いと共に戦っている八戸の選手が生み出したものだ。
ならば正面から受けて立てばいい。
仲間を鼓舞すること以上に全力で目の前の相手と対峙することだ大切だ。アディショナルタイムの4分がこんなにも長く感じたことはない。(まぁ実際は5分あったけどw)
試合終了の笛と同時にピッチに沈み込んだのは僕らだった。死闘だった。欲しかった勝点だった。安堵と興奮が入り混じり涙を流す仲間もいた。
本気になれば何故か感情が人の心だけでなく自分の心も揺さぶることになる。その揺さぶられた心は達成感となって涙を出す。自然な流れだ。
たった10分。長かった10分。
僕の足下に流れてきたボールは僕の力みと共にキーパーの正面へ飛んでいった。そこに魂はなかった。ゴールを決めることよりこの状況を耐えて勝利することしか考えてなかった。
これはシュートを外した言い訳だ。でもそれと同時に事実だ。僕みたいな選手は魂を込めたことしか現実にはならない。
だから、宣言しておく。
3.31のホームゲームは必ずゴールを奪う。3.31がJ3最年長ゴール記録の誕生だ!!