安彦考真のリアルアンサー「J3リーグ第4節を終えて」2019年4月2日
第4節のホームゲーム、ガンバ大阪U-23との試合は0-5での大敗。「何かを変えなければ」--いつものルーティンをあえて壊して身体に刺激を注入したのは、あの悔しい思いを二度と繰り返さないため。
新しい成果を手にするためには、常に現状を壊し続けていく必要がある。これまでのルーティンではこれまで以上の成果は手にすることは難しい--そう安彦考真選手は考えたという。
オールドルーキーのJリーガーが初めて体験する、長いシーズンを通しての心身のコンディショニングの難しさ。あえてこれまでのコンディショニングのルーティンを破ったことが吉と出るか凶と出るか。勝負をかけた土曜の試合は刻一刻と近づいている。
なかなか知ることのできないJリーガーのシーズン中の心境の変化を、安彦考真選手が生々しく語る。
リアルアンサー
2019年4月2日
安彦考真
Y.S.C.C.横浜
大敗を糧にしてより高く跳ぶために
0-5のあの大敗から2日経った。今、自分にできることは何なのかを必死に考えている。当たり前のことはいくらでも言えるし、それはやって当然のことだ。 そこじゃない部分にどう具体的にアプローチするかが重要だと思っている。
そのために今回あえてこれまでのルーティンを破ってみることにした。
試合まで中6日以上ある時と中5日しかない時とで一番の違いはオフの過ごし方だ。
うちのチームの通常のやりかたは、試合翌日に練習試合を行い、次の日はオフ。試合から中2日で練習再開し次戦に臨むというのが通常のパターンだ。今回のように日曜に試合あった場合は翌日の月曜が練習試合、火曜がオフ、そして水曜から練習が再開する。
試合に臨むまでの通常の流れは、例えば次節の試合が日曜開催なら水曜、木曜、金曜の3日間を練習に当て、土曜が試合前日準備(アウェーの場合は移動日)となる。しかし今回のように日曜に試合→土曜の試合という間隔になった場合、練習日が水曜と木曜の2日だけになってしまう。
そんなチームのパターンを踏まえてのこれまでの自身の試合間の調整は、練習が3日の時はオフの日を「完全オフ」として身体を休めるが、練習日が2日しかない場合は完全に身体を休めず6割だけオフにする--そんなイメージでこれまで調整してきた。
あの大敗後、次の試合は土曜日だ。試合までに2日しか練習日がない。
今日、4月2日はチーム練習はオフだったが、あえて身体に刺激を入れることにした。通常は中5日の試合間隔の際はオフにある程度身体を休めるのがルーティンだったが、明日の練習再開から100%で臨めるよう身体を準備しておきたかった。だから今回あえてルーティンを破った。
これまでオフの日の身体のケアは、疲れの具合や身体の各部位の具合について仔細にチェックするより、身体と会話をするイメージで「身体全体の状態」を捉えることを優先していた。自身の身体との会話のやり方に対してルーティンを定めることで、普段は小さな異変や違和感にも気づけるようにするためだ。
しかし明日の練習で万全な状態で動くため、ルーティンを破ってイレギュラーなやり方を選択した。今回はあえて具体的な身体の状態を確認しつつトレーニングを行うことで身体に刺激を入れた。
『自分の身体の中に入り込み、コックピットから自分自身を操作する』--いつもはそんなイメージで身体との会話を行うが、イレギュラーなオフの過ごし方の経験値が少ないぶん、身体との会話が難しくなることを体感する。自分の身体なのに思うように動かせないときのストレスは本当に苦しい。しかしあの悔しい思いを二度と繰り返さないためにはそんなことも言ってはいられない。
大敗に再起を誓って挑む試合。明日の練習でルーティンを破った今日の過ごし方が良かったのかどうかも問われる。
チームにとっても自分にとっても土曜のザスパクサツ群馬との試合は開幕戦より重要な一戦だと思っている。明日も「今日という日が最後の日」だと思って全身全霊で戦い抜く、そう心に誓った。