安彦考真のリアルアンサー「J3リーグ第5節を終えて」2019年4月9日
4月6日に行われたY.S.C.C.横浜とザスパクサツ群馬との試合は0 - 2でホームのYS横浜が敗れた。
チームは5戦して1勝4敗。18チームで構成される今シーズンの明治安田生命J3リーグで17位。失点15、得失点差−8はともにリーグ最低。早い時間帯で失点し、焦りで全体のバランスを崩す試合が目に付く。
試合終盤に出場した安彦考真選手だったが、結果を出せないまま敗戦のホイッスルをピッチ上で聞いた。これまで出場は3試合。何度も劣勢のチームを立て直すことができないもどかしさを何度も感じた。
昨シーズンは水戸ホーリーホックでチームメイトだった佐藤祥選手との対戦を楽しみにしていたが、試合後はそれさえ一瞬忘れてしまうほど安彦考真選手にとって敗戦のショックは大きかった。
連敗となったこの試合後、今のチームにとって必要なものは何なのかを懸命に考えたという。そして敗戦のショックを引きずって下を向くのではなく顔を見上げた時、チーム全体が忘れていたものがあることに安彦考真選手は気がついた。
痛恨の試合からチームと安彦考真選手が得たこととは?
リアルアンサー
安彦考真
2019年4月9日
Y.S.C.C.横浜
群馬戦の敗戦は果たしてネガティブだったのか?
結果は0-2の敗戦。またしても前半に失点してしまいゲームプランは崩れた。これで4敗目。この状況だけみれば事態は深刻だ。しかし僕はそこまで酷い状態だとは思っていない。
それには2つの理由がある。
1つ目は、負けたことによって今僕らはどこに立ち返るべきなのかをもう一度思い出せたこと。
このチームは昨日今日集まったチームではない。プレシーズンをともに過ごし、シュタルフ監督がめざすサッカーの原理原則を頭と身体に叩き込み、〝YSスタイル〟として取り組んできた。その過程でチーム全体が〝共通言語〟を共有することができた。それは僕らでしか理解し得ない共通言語で、他のチームの選手に話しても簡単には理解できないものだ。
例えメッシであろうがCロナウドであろうが今のYSに入ってもすぐには馴染めないだろう。なぜならこの共通言語とは、同じ方向を向いて熟成されなければ会得できないものだからだ。これは多くの選手が同じことを語っているので、僕の独りよがりでは決してない。
僕らは今、チーム全体でもう一度生まれ育った場所に立ち戻るべきだ。目の前の試合結果でブレることなく、自分たちの立ち位置を思い出すこと。次の試合までにそのことに全力を尽くしたいと思う。
そしてもう一つは、僕自身のことだ。
Twitterでは相変わらず「0円Jリーガー」がものすごい批判に晒されている。「お金をもらっていない選手はプロではない」だの「下手くそ」だのと言われたい放題だ(笑)。
ただ、僕自身はゴールへの可能性を感じている。開幕から前節まで3試合に出場。少しずつゴールの匂いは強く感じるようになってきている。それは言葉で説明することは難しい。でもこの直感はものすごく大事なことだと思っている。
チャンスをものにするには1歩や1ミリといった一瞬をものにする感覚を研ぎ澄ます必要がある。常にゴールをイメージする。なるべくクリアにイメージする。脳と身体の"距離"が近ければ近いほど、その達成率は高くなる。今その距離は確実に近づいているように感じている。
この2つが現状打破に繋がるコトを信じて、今まで以上にコミュニケーションをとり、勝利を手に入れる!!
最後になったけれど、佐藤祥との対戦はとっても新鮮だった。
0-2で負けている状態だったから、出場した瞬間はゴールすること以外考えていなかったが、目の前にいる祥を見て心の中で笑顔になっている自分がいた。
水戸時代から多くの時間を過ごしてきた祥は年下だけれど僕が尊敬する選手でもある。アグレッシブさに技術と冷静さを持ってゲームをコントロールする。そんな選手とJリーグの公式戦のピッチ上で対戦できて本当に光栄だった。
でも試合には負けてしまったので喜んでばかりもいられない。次は絶対に勝つ!!!
そのためにも、僕らは僕らの共通言語を大切にして、直感を研ぎ澄まして日々を120%でやり切るんだ。