人生を哲学的に見つめ、日々考えたことや感じたことを書き留める「人生哲学研究家」のブログ。
編集長ブログ
2019年7月5日
先日、FC東京の太田宏介選手が名古屋グランパスへの移籍を発表しました。
日本代表として7試合に出場、Jリーグベストイレブンにも選ばれるなど、Jリーグを代表するサイドバックとしての実績を誇る選手がシーズン中の移籍を決断。
その真意は本人にかわかりませんが、太田選手の新天地でのさらなる活躍を期待したいと思います。
サッカー選手にとってどのチームに所属するかは非常に重要な問題です。
どれだけ個人としての能力が高くても、そのチームの方針や状況によっては試合に出られないこともあります。突然の監督交代やチームの方針転換などで、昨日までレギュラーだった選手が急にベンチを温めることはよくあること。
プロフェッショナルとして自分と向き合うこと以外に、組織や指導者との関係性によって残せる結果が大きく変わってくるという意味で、一見華やかに見える世界にも関わらず会社に勤める社会人と変わらない境遇とも言えます。
最近は若手Jリーガーの海外移籍の話題がサッカー界を賑わせています。
ひと昔前はJリーグである程度実績を残した選手が海外クラブに移籍するという流れだったのが、最近はまだJリーガーとなったばかりの若手選手がその将来性を見込まれて海外クラブからオファーが来ることも増えました。
それはもちろんその選手の潜在能力の高さや人間性を評価されてのことですが、これまでにヨーロッパでプレーした日本人選手たちが残した実績や印象が、海外クラブの正式オファーの後押しになっていることは間違いないでしょう。
太田宏介選手もそんな海外クラブでプレーした経験を持つ1人です。
2015年、FC東京で絶対的レギュラーとして活躍していた時期に、安定した環境から海外クラブへの移籍を決断。太田選手は慣れない環境の中、孤独と戦いながらオランダで約2シーズンプレーしました。
「食事は肉か芋ばかりで新鮮な野菜がなかなか食べられないんです」
知り合いのいないフィテッセの街で一人暮らしをしていた太田選手が笑いながらそう話してくれたことがありました。
オランダのクラブの多くは世界各国から指導者や選手が集まる多国籍軍。英語やオランダ語などさまざまな言語が飛び交う環境下、監督の指示の細かいところまでは理解できない状態でチームプレーする難しさは、実際に体験した者にしかわからない大変さでしょう。
それでも持ち前の人懐っこさでチームメイトと仲良くなり、現地在住の日本人コミュニティに飛び込むことで慣れない環境での生活面でのサポートを受けるなど、自らサッカーに専念できる環境を整えていた太田選手のいつも明るく振る舞う姿勢は印象的でした。
今回、慣れ親しんだチームから新天地への移籍を決断した太田選手。
その決断が正しかったかどうかの評価はまだ先のことですが、本人はやる気に満ちた前向きな挑戦だと考えていることは間違いないでしょう。そして、きっと名古屋グランパスでもすぐに愛される存在となり、力を発揮できる環境を整えてチームに貢献する選手となるはずです。
名古屋グランパスでの太田宏介選手の活躍に期待したいと思います。