プロフェッショナルとして必要不可欠なことは同じだった
9月11日、東京・ホテル椿山荘東京にて美の日本一を決める「2019 MISS JAPAN」が開催された。
国内のミスコンテストの決定版として開催されたこの大会に、Jリーガーとして招待された安彦考真選手は、日本一をめざして究極の美を追求する出場者の姿から大いなる刺激を受けたという。
常に数字という結果が求められるサッカー選手と、数字では表せない「美」を競うミスコンテストの出場者。結果を左右するプロセスは違えども、「プロフェッショナルとして必要不可欠なこと」という共通点があると安彦選手は気づいた。
普段とは違う雰囲気の中、どんなことを考えたのか、安彦考真選手に聞いた。
リアルアンサー
2019年9月14日
Y.S.C.C.横浜
安彦考真
「ミスジャパンが教えてくれた大切なこと」
縁あって先日行われた「2019 MISS JAPAN」に招待され、会場で出場者たちの勇姿を自分の目で見ることができた。
開催前にはネットなどで様々な憶測が飛び交ったと聞く。その中には「グランプリはすでに決まっていて出来レースだ」と言う声もあったという。
それぞれの人の見方や考え方によって評価は変わってくると思うが、僕は会場で生で大会を見た僕が実際に感じた率直な想いを書く。
先に言っておくと、"出来レース"などが安易に許されるような大会ではなかった。大会の理念や個々の持つ世界観を通して、出場者たちの真の努力や内面から溢れ出す人間的魅力が表現されていたことが、見る人がみれば間違いなくわかったはずだ。
初めて見るミスコンテストの舞台。各県代表が舞台に上がる最初の場面で、見ていた僕は既に感動していた。彼女たちの立ち姿から所作まで、全員が作り物ではない本物の美しさとかっこよさを持っていた。
僕らスポーツ選手は数字という客観的な結果が出る。特にサッカーは相手よりより多く得点したチームが絶対に勝ちとなる。「良い試合をしたほうが勝ち」などという誰かの主観で結果が出る競技ではない。
しかし、ミスコンテストは一見、評価基準や順位の決定が数字では表せないように見える。そんなサッカーとは違う勝敗基準を持つミスコンテストという競技を、会場で生で見ていてすごく心を動かされた。
何が僕の心を動かしたのか?
それは「彼女たちの世界観の表現」だ。
ウォーキングや水着審査など、過去にニュースなどで見たことのある定番の審査もあったが、一番印象的だったのは審査員からの質問に答える場面だ。
審査員からの(僕からすれば)意図がよくわからない質問に対しても、みんな動じることなく堂々と答えていた。
その中でも、見ていると大きく分けて2通りの対応があることに気づいた。
1つは質問に対して正解を探した人。
そしてもう1つの対応は、どんな質問であれ自分が表現したい世界をちゃんと言語化してる人だ。
すぐに答えが出せない質問に答える時、重要だと思うのは「その人の自身の世界観」だ。
何をめざし、何を想い、どんな世界を理想として生きているのか。短い時間の中で、自分の人生観を自分なりの言葉で必死に表現しようとする彼女たちの姿勢に、本当に感動した。
彼女たちの勇姿を見て、改めて「僕はこういう表現をしていきたいんだ」と思い起こさせてくれた。(といってもこういうコンテストに出たいわけじゃない・笑)
彼女たちのこの大会に臨む姿勢はもちろん、そこから垣間見える普段から「自分の世界観」と向き合い磨き続けていることを知れば、この大会が”出来レース"ができるような大会ではないことがわかるはずだ。
プロフェッショナルは、どんな舞台でも「洗練された自分を表現する」ことを求められる。
数字で結果が出るスポーツでも、その数字を超えるような感動を与えるのはその人の世界観が持つ「高貴さや強さ」だ。それは「生き様」とも呼べる。
僕たちは日々練習に没頭することも大事だが、それ以上にしなければならないことがある。それは自分の人生の「今」を色濃く生きるということ。
ミスジャパンから学んだのは、問いに対して正解を答えようとすることではなく、どんな場面でもどんな瞬間でも「自分の伝えたいことをまっすぐ表現する」姿勢の大切だった。
数字で語られる勝敗だけでなく、人の心を揺さぶるような「自己表現」をこれからも突き詰めていきたい。
最後に、出場者のみなさん、本当に素敵な姿を見せていただきありがとうございました!