サッカー日本代表歴で振り返る2024年Jリーグ監督の顔ぶれ
Jリーグは今シーズンの全日程を終了。一方で海の向こうのヨーロッパでは、各国のリーグが長いシーズンの折り返しを迎え、一層の盛り上がりを見せている。
その盛り上がりは、日本にいながらにしてリアルタイムで体験できる。現地での観戦は難しくても、さまざまな配信サービスの充実によって、各国のリーグ戦を生中継で観戦することが可能となった今、Jリーグと同じ感覚でヨーロッパのトップリーグの試合を楽しむことができる。
そんなヨーロッパ各国のリーグ戦を見ていて感じるのは、監督のポジションにかつてのスター選手の名前を見かけることが増えたという印象。
かつてトップリーグで活躍した各国を代表するスター選手たちが、スーツやチームジャージに身を包み指揮する姿を見かけると、当時の名勝負やスーパープレーを思い出し、とても懐かしい気持ちになる。
特に、かつてのスター選手が強豪クラブの指揮官に就任しているとなれば、そのクラブの試合に対する思いも一層熱を帯びていく。
例えば、マンチェスター・シティなどで活躍したヴァンサン・コンパニ。
監督就任後のバイエルン・ミュンヘンを、これまで以上に魅力的な試合運びで勝利を重ね、早くも名監督としてさらなる活躍が期待されている元スター選手監督の代表的なひとりだ。
そこで、ふと「では、Jリーグはどうだろう?」という疑問がわいた。
ワールドカップに出場することが当たり前になった1998年フランスワールドカップ以降、日の丸をつけたユニフォームに身を包み、代表戦で躍動した多くの選手たち。
20年以上の歳月を経て、引退する年齢に達する選手が増えてきた。
そこで2024年シーズンにJクラブ監督として指揮をとった主な元サッカー日本代表の中心選手たちをピックアップしてみた。
井原正巳 :122試合
中山雅史 :53試合
服部年宏 :44試合
長谷川健太:27試合
戸田和幸 :20試合
岩政大樹 :8試合
森山佳郎 :7試合
山口智 :2試合
林健太郎 :2試合
大嶽直人 :1試合
米山篤志 :1試合
中心選手として長く日本代表を牽引した井原正巳さんや中山雅史さん、自国開催となった日韓ワールドカップで独特の髪型が印象的だった戸田和幸さんなど、錚々たるメンバーが名を連ねている。
また、来シーズンからJクラブの監督に就任予定の、日本代表戦出場歴のある主な監督も探してみた。
<2025シーズンからJクラブ監督就任予定>
相馬直樹(鹿児島):58試合
平川忠亮(琉球) :6試合
藤本主税(長野) :2試合
今シーズンで退任となる監督や今後新たに就任が発表される監督もいるので、最終的に来シーズンの人数はまだわからないが、J1からJ3まで各リーグ20チーム、合計60クラブの中で、10名前後という比率は果たして多いのか少ないのか?
さらに「ワールドカップ出場経験のある元サッカー日本代表選手」とすると、さらに比率は下がるだろう。
日本代表で活躍した選手にとって、Jリーグ監督は魅力を感じられないポジションなのか?
4年に1回、20数名だけが体験できる世界最高峰の舞台に立ち、世界の強豪国と真剣勝負をした経験は、日本サッカー界にとって貴重な財産だ。
そんな貴重な経験を指導者となってJリーグに還元することは、日本のサッカー界にとって大きなプラスになることは間違いない。
しかし、日本代表の中心選手としてワールドカップに出場したスター選手たちを思い出す時、指導者以外のセカンドキャリアを進んでいる人たちが少なくないように感じることはないだろうか?
もちろん、日本サッカー協会の会長に就任している宮本恒靖さんや、日本代表監督として強いサムライブルーを指揮する森保一監督など、日本のサッカー界を牽引するポジションに就いている元スター選手という事例もある。
今回、タイトルのような疑問がわき、Jリーグクラブの監督一覧を作成したりした結果、はっきりとした傾向や結論、その理由などは、なんとも言えないという状態で止まってしまっている。
ワールドカップの舞台でキラキラ輝いていた選手たちの記録はいつまでも色褪せない。彼らの勇姿は、これから徐々にJリーグの指導者として再度ピッチで見られるのかもしれない。
2024年Jリーグ主な監督一覧
札幌 【2025年】岩政大樹⑧
鹿島 【2024年】中後雅喜 →【2025年】鬼木達
柏 【2024年】井原正巳
川崎 【2024年】鬼木達 →【2025年】長谷部茂利
湘南 【2024年】山口智②
新潟 【2024年】松橋力蔵
磐田 【2024年】横内昭展
名古屋 【2024年】長谷川健太→【2025年】続投
C大阪【2024年】小菊昭雄
神戸 【2024年】吉田孝行
福岡 【2024年】長谷川茂利
鳥栖 【2024年】川井健太→木谷公亮
仙台 【2024年】森山佳郎⑦→【2025年】続投
秋田 【2024年】吉田謙 →【2025年】続投
山形 【2024年】渡辺晋 →【2025年】続投
いわき【2024年】田村雄三 →【2025年】続投
水戸 【2024年】森直樹 →【2025年】続投
栃木 【2024年】小林伸二 →【2025年】続投
群馬 【2024年】大槻毅→武藤覚→【2025年】沖田優
千葉 【2024年】小林慶行 →【2025年】続投
横浜FC【2024年】四方田修平→【2025年】続投
甲府 【2024年】大塚真司 →【2025年】続投
清水 【2024年】秋葉忠宏 →【2025年】続投
藤枝 【2024年】須藤大輔 →【2025年】続投
岡山 【2024年】木山隆之
山口 【2024年】志垣良 →【2025年】続投
徳島 【2024年】増田功作 →【2025年】続投
愛媛 【2024年】石丸清隆
長崎 【2024年】下平隆宏 →【2025年】続投
熊本 【2024年】大木武 →【2025年】続投
大分 【2024年】片野坂知宏→【2025年】続投
鹿児島【2024年】浅野哲也 →【2025年】相馬直樹
盛岡 【2024年】神野卓哉→星川敬→【2025年】続投
福島 【2024年】寺田周平 →【2025年】続投
大宮 【2024年】長澤徹 →【2025年】続投
Y.S横浜【2024年】倉貫一毅
相模原【2024年】戸田和幸→シュタルフ悠紀リヒャルト
長野 【2024年】髙木理己 →【2025年】藤本主税②
松本山雅【2024年】霜田正浩
富山 【2024年】小田切道治
金沢 【2024年】伊藤彰 →【2025年】続投
沼津 【2024年】中山雅史 →【2025年】続投
岐阜 【2024年】天野賢一
FC大阪【2024年】大嶽直人①
奈良 【2024年】中田一三 →【2025年】続投
鳥取 【2024年】林健太郎②→【2025年】続投
讃岐 【2024年】米山篤志①→【2025年】続投
今治 【2024年】服部年宏
北九州【2024年】増本浩平 →【2025年】続投
宮崎 【2024年】大熊裕司 →【2025年】続投
琉球 【2024年】金鍾成 →【2025年】平川忠亮⑥