安彦考真「人生の先輩から20代に向けてのリアルアンサー」16
ゼロ円Jリーガーの時代がやって来た!
今シーズンの個人的な抱負とコロナ後の日本スポーツ界にとっての今シーズンの意味について【後編】
安彦考真
2020年6月20日
【前編】→ http://www.livest.net/real/5375.html
【中編】→ http://www.livest.net/real/5396.html
今シーズンの日本サッカー界のあり方をもう一度真剣に考え直し、来年も再来年も、これからずっと同じようなことが起きる可能性を含んだシーズンになる。
そんな想定の上で、リーグやクラブを運営する関係者はもちろん、Jリーガーがしっかりと認識することが必要だと思っているのは、僕だけじゃないはずだ。
リーグもクラブも今までと同じやり方ができなくなること間違いない。
リモート観戦になれば、自ずとスポンサーのあり方も変わるし、入場者収入なども今のような形では見込めないことになる。もしかすると、Jリーグは今よりさらにDAZN頼みが顕著になり、各クラブは新たな収入源を見つけることができず、資金難になるクラブも増えてくるかもしれない。
その中で、Jリーガーの年俸が今までのような形で保証されていくことは当たり前でなくなる。
クラブの収益が下がる可能性があるということは、今以上に低年俸で契約を余儀なくされるJリーガーが増えることは避けられない。
そうなると、これまでの「Jリーガーの理想像」とはまったく違った「新たなJリーガーの理想像」を構築していく必要が出てくることは必須だ。
そうなった時、僕が最初に実践した「年俸0円Jリーガー」という、今は異端とされているスタイルが強さを発揮することになる。
クラブからの年俸に頼らなくとも、自分の環境を整え、多種多様な収入源を作っておくことが、Jリーグの選手にも当たり前のように求められる時代が来ると僕は捉えている。
僕が数年先取りして実践したスタイルが、固定観念に縛られた多くの人たちから批判を受けたスタイルが、じつは先を見越した「激変する環境に最適なスタイル」だと再評価される時が来るかもしれない。
人は変化を好まない。というより動物としての本能が変化を避けるようにもともとプログラムされている。
だからこそ、僕が実践した「新時代のスタイル」に対して、既存のルールに守られた「旧い人たち」の本能が拒絶反応を示したのだと今なら言える。
僕は、生きたいように生きる。批判なんか一切気にしない。
生きたいように生きるというのは、好き勝手生きるという意味ではなく、自分が考え抜き、「これが正しいやり方だ」と確信したスタイルを貫きながら生きるという意味だ。
わからない人にはわからないだろうけれど、ワガママや無謀とは無縁のものだ。
大好きなサッカー。子どもの頃からの夢だったJリーガー。
自分の「好き」を貫き、自分の「夢」を実現するためにはどうすればいいか?
多くの人が与えられた道やルールを遵守し、「自分は選ばれなかった」「自分には無理だった」と簡単に諦めてしまうことも、僕は僕のやり方を見出すことで手に入れた。
そのやり方が多くの保守的思考の人たちにとって反感を買ったこともあった。
しかし、それは裏を返せば「自分もやりたかったのにできなかった。それを実現してうらやましい」という気持ちが根っこにあることを僕は知っている。
「やったもん勝ち」とは言わないが、「やらなかったもん負け」であるということは断言できる。
悔しければ、自分もやればいい。嫌味ではなく純粋な気持ちでそう思う。
やらないのに文句だけは言うのは、自分の人生を無駄にしている〝敗者の遠吠え〟でしかない。
「10年後、100年後、僕のやったことが評価される時代がやって来る」……コロナを経て、僕の考えはより確信に近づいている。
今シーズンは日本サッカー界にとっても、僕たちJリーガーにとっても大きな転換期になることは間違いない。
しかし、一般的に「2020年が転換期だった」と認識されるのは数年後かもしれない。
この転換期にクラブやJリーガーが気が付かないで、変化への対応を怠ってしまうと、近い将来、潰れるクラブや露頭に迷うJリーガーが出てくることも予見される。
それほど、今シーズンは多くの人にとって大きなターニングポイントとなるシーズンなのだ。
僕は率先して変化に適応し、考えを発信している。
それは僕がみんなより何年も先に変化に適応できるスタイルを身につけ、実践し、行動し続けたからだ。
僕のスタイルが生きる社会や環境が後から追いついてきた今、僕が今以上に活躍し、注目される時代がついに到来したのだ。
ラストイヤーが始まる。
大好きなサッカーを好きなだけ思いっきりやり切るために、自分と向き合う時間をしっり確保し、生活や必要なものを得るための収入を確保し、毎日「楽しい」と思える環境を整えることを僕は実現している。
僕はワクワクしている。
今、この時代、歴史の変わり目に立っているという期待と責任を全うする気持ちで溢れている。
そして、ゴールや勝利といったJリーガーとしての評価基準だけでなく、新たな時代を生きる先導者としての活動についても、今まで以上に目に見える結果を出していく気持ちでいっぱいだ。
ここまで書いてきたが、それでも僕は「サッカーは生で観戦したい」と思う1人だ。
厳しいことを書いたが、早く治療薬ができることを願っているし、人類がこの感染症を克服することを何より願っている。
では、感染リスクもある中、僕が考える「ライブ観戦して、応援したいと思える選手」とはどんな選手か。
それを最後に示してまとめにしようと思う。
それは、その選手の覚悟や生きさまがプレーに宿り、その足音や吐息から生きる熱量が伝わってくる選手だ。そして、誰よりも楽しそうにサッカーをしている選手だ。
そんな姿をスタジアムで同じ空間で見たいと多くの人は思うのではないか。そう僕は考えている。
今年、最後のシーズン、僕も最高に楽しそうに生き生きとしたプレーをサポーターたちに見せたいと思う。
シーズン最後の笛が鳴るまで、Jリーガーでいることに感謝をして、その気持ちを表現し続けたいと思っている。
みんなより一歩先を進んでいる僕の有言実行を、乞うご期待!
(終わり)