トップトレーナーが教える「手軽にできて効果的な熱中症対策」

2018.7.27

livest!編集部

リアルアンサー

2018年7月20日の質問

トップトレーナーが教える夏休み中の熱中症対策について

連日猛暑がニュースになる今夏。まだ夏休みは始まったばかりですが、毎日多くの熱中症患者が救急搬送されていると報道されています。

水戸ホーリーホックに所属するプロサッカー選手の安彦考真選手が、Jリーガーとして普段から取り組んでいる熱中症対策についてリアルアンサー(http://www.livest.net/real/1992.html)が多くの方に参考にしていただき、好評だったということで、昨シーズンから肉体改造を全面サポートするなど、安彦選手と親交の深いトップトレーナー田邊大吾さんに、スポーツトレーナーから提案する熱中症対策ということで、リアルアンサーをいただきました。

田邊トレーナーは、メジャーリーガーの岩隈久志投手が共同オーナーを務めるパーソナルトレーニング施設IWA ACADEMYで数多くのトップアスリートのトレーニング指導を担当するトップトレーナー。同施設では、将来のプロ選手をめざす子どもたちや学生といったトップアマの指導も行っているということで、普段から子どもたちに指導している熱中症対策を教えてくれました。

熱中症対策を実際に取り組んでいるJリーガー目線、そして熱中症対策を指導するトップトレーナーからの解説の2つを参考に、記録的な酷暑と呼ばれる2018年の夏を乗り越えましょう。

田邊大吾のリアルアンサー

IWA ACADEMY

プロサッカー選手安彦考真選手の熱中症対策についてのリアルアンサー(http://www.livest.net/real/1992.html)が素晴らしかったので、補足というかたちで書きます。

水分量と塩分の濃度について

尿の色をチェックするのは、簡単で非常に有効だと思います。

尿の水分量が減って相対的に塩分濃度が上がると、尿の色が濃くなります。尿量が少なく色が濃い時は、まず水を飲みましょう。

反対に水分量が十分で塩分濃度が低いと、尿の量が増え色は透明に近くなります。水分が十分でも塩分が足りないと、疲労時に足が痙攣したりする原因になりますので、尿の量がいつもより明らかに多く色が透明なときは、塩分のあるスポーツドリンクを運動前に飲むといいですね。

体温調節について

熱を体から逃がす手段としては大きくわけて二つあります。

① 体の表面にある血管を広げて冷やす

暑くなると皮膚が赤くなりますね。これは皮膚に近い位置にある血管が広がって血液の流れが増すためです。そこにアイシングをすれば体温が下がるので、休憩中に首や脇を冷やすと良いです。

危険なのは皮膚が赤くならない場合です。血行が悪く、血管を皮膚に集められないと冷却できません。

対策としては、まず呼吸をチェックしましょう。呼吸が浅く酸素を取り入れられていないと血液は流れてくれません。激しいトレーニング中も深い呼吸をし続けるように意識してみてください。

もう一つ大切なことは、暑いからといって冷たいものを食べ過ぎない・飲み過ぎないことです。ヒトは常に37度前後を保つ恒温動物なので、冷たいものを摂取すると、冷えた内臓の温度を元に戻すために血流を消化器に集めます。その作業が終わるまでの間は、筋肉や皮膚周囲への循環は悪い状態が続いてしまうので、体温調節機能も落ち熱中症の危険が増します。運動中以外は水も常温のものが良いです。冷たいものはできるだけ避けましょう。

② 汗をかいて体温を下げる

汗が蒸発することで体温をさげるのですが、汗が蒸発しないと体温が下がらず危険です。几帳面に汗をすぐ拭き取ったり、蒸発しにくい素材の服を着ていたりすると熱がこもってしまいます。通気性の良いウェアを着て汗をたくさんかきましょう。汗の出が悪いときは皮膚に水をかけたりシャツを濡らしたりして、対策しましょう。

また、蒸発という点から考えると、気温が高く無風で曇っている日は危険です。日差しがなく安全な気がしますが、汗が蒸発しにくいため、体温が下がりにくいのです。アイシングを積極的に行ってください。もちろん直射日光は危険なので、帽子を被るなどしてくださいね。同じ理由で空調の効いていない体育館も危険です。換気をして空気を流しましょう。

 

協力

IWA ACADEMY

■住所:東京都千代田区六番町1-7 K-PLAZAビルB1F・1F・4F

■電話:03-6265-6688

■営業時間:10:00~22:00/不定休

メジャーリーガー岩隈久志投手が共同オーナーを務める、都会の本格スポーツトレーニング施設「IWA ACADEMY」。広々としたトレーニングルームを使った専門コーチによるマンツーマン指導で、人目を気にせずアスリート気分でエクササイズできるのが特徴。

ボディケアやカフェなども併設されているので、一度の訪問でトレーニングからコンディショニング、リフレッシュまで可能の清潔で最新設備で、充実した〝美容健康タイム〟を過ごせる。

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