健康のカギを握るのは運動前後の丁寧なボディケア

2018.9.19

livest!編集部

人生を楽しむ「健康を追求する」

健康のカギを握る運動前後の丁寧なボディケア

若い頃は一晩寝れば取れた体の疲労感も、30代、40代と歳を重ねるごとに悲しくなるほど体に残り続ける。

「健康のために…」と始めたジョギングやスポーツジム通いも、初日の翌日から全身をむしばむ心地よいとは程遠い筋肉痛や関節痛を体験すると、健康のための運動がむしろ健康に逆効果なのでは?と感じてしまう。

健康を意識し始めたアラサー&アラフォー世代にとって、まず最初にすべきことはランニングシューズを買うことでも、スポーツジムに入会することでもなく、「もう自分のカラダは若い頃とは違うんだ」ということを認め、30代、40代の身体に最適な運動法を学び、より丁寧なボディケアを運動前後に必ず行うと決意することだ。

アスリートなら欠かさないマッサージやストレッチなどのボディコンディショニングは、選ばれた人のためのものではなく、むしろアラサー&アラフォー世代の運動ビギナーこそ必須のものだ。北島康介さんら日本中を熱狂させたメダリストたちを多数サポートするボディコンディショニングのエキスパートが、アラサー&アラフォー世代が運動前後に欠かさず行うべきボディコンディショニングを教えてくれた。

美容や健康のために始めたウォーキングやジョギングも、アフターケア無しでは逆効果も

9月に入り、記録的な暑さだった気候も和らぎ、まさに「スポーツの秋」の到来を感じさせる今日この頃。暑さを言い訳に運動をさぼっていたアラサー&アラフォー世代の中にも、そろそろ健康のための運動を始めようと思っている人も少なくないだろう。

秋晴れの中、公園や川べりを気持ち良くウォーキングやジョギングして汗を流したり、幽霊部員状態だったスポーツジムに通い始めたり……。しかし、運動にばかり気を取られている人は要注意。

「運動をするだけでアフターケアをおろそかにしがちでは、望む成果が出る前に身体を壊す危険性があります。特にこれまであまり運動をしてこなかった人の場合、余分な脂肪が落ちる前に、筋肉のトラブルを引き起こしてしまい、運動を始める前よりも身体の調子が悪くなるなんてこともあります」

せっかくの努力も運動後のボディケアを怠ると、逆に体に悪影響が出る場合もあることを教えてくれたのは、数多くのメダリストを含め、競泳日本代表選手ら多くのトップアスリートの活躍を陰で支え続けるボディコンディショニングのスペシャリスト、小沢邦彦さんだ。

「トップアスリートたちは激しいトレーニングで体を鍛えた後、必ずストレッチやマッサージなどで体のリカバリーを念入りに行います。特に世界との戦いで結果を出す選手は、日頃から練習と同じくらいボディケアにも気を使っています」

日本オリンピック委員会強化医科学スタッフや日本トレーナー会議副代表としてオリンピックや世界選手権に競泳代表のトレーナーとして帯同し、北島康介選手らのメダル獲得に大きく貢献してきた小沢さん。

現在は東京・代官山にある高級スポーツ施設「FLUX CONDITIONINGS」内の『REFRESH指圧CENTER』でボディケアを担当。トップアスリートはもちろん、一般のスポーツ愛好者たちの体のメンテナンスを通じてアスリートらをサポートしている。

「身体にトラブルが発症すると脳に向けて“痛み”という信号が出されますが、その信号を無視したままで無理してそのままトレーニングを続けると、ある時からその信号が出なくなります。そうすると脳は『治った』と勘違いし、結果、身体のトラブルを放置し続ける。そしてある日、身体が限界に達して大きなケガにつながってしまうんです」

じゅうぶんな準備運動もせず、ウォーキングやジョギングで体を動かした後、面倒だからと運動後のストレッチやマッサージをさぼっている人は気をつけよう。その手抜きが腰痛やギックリ腰などの大きなトラブルを引き起こすことになると小沢さんは注意を促す。

たくさんのトップアスリートの身体のケアを行っている小沢さんに、これまでの経験から一般の人でも簡単にできる<脚のセルフケア>を伝授してもらった。

「ウォーキングやジョギング後は、太モモ裏やお尻のストレッチをしっかりと行うことが大切です。例えば、お尻の筋肉(大中小殿筋)をしっかりストレッチしておかないと、ギックリ腰になったり腰痛を引き起こすので、運動後は短時間でもいいのでしっかり行ってください」

小沢邦彦院長直伝

「疲れを残さない簡単セルフボディケア」
<太もも裏のストレッチ>

1)イスなどの適度な高さの台を用意し、正対して立つ

2)左足のかかとを台の上に乗せて、両手を左ヒザの上に置く

3)左ヒザを伸ばし、足首を垂直(90度)に起こす

4)左ヒザに置いた両手で軽くヒザを押す

5)息を吐きながら、上体はまっすぐのまま前に倒す

※おへそから上体を折り曲げるイメージで行う

※背中や腰を丸めないように注意する

※太モモ裏が伸びていることを意識する

6)「イタ気持ちいい」ところで動きを止め、ゆっくり呼吸しながら5秒間ストレッチ

7)足を入れ替え、右足も同様に行う

8)左右、各3回ずつゆっくりと行う

 

ここに注意!NGポイント〔1〕

×足首が寝ている

→足首を垂直に立てないまま行っても、太モモ裏がしっかりストレッチできない

 

ここに注意!NGポイント〔2〕

×猫背になっている

→背中や腰が丸まったままだと、太モモ裏がしっかりとストレッチできない

 

小沢邦彦院長直伝

「疲れを残さない簡単セルフボディケア」
<内転筋のストレッチ>

1)イスなどの適度な高さの台を用意し、斜め45度の位置に置いて立つ

2)左足のかかとを台の上に乗せて、左手を左ヒザの上に置く

3)左ヒザを伸ばし、足首を垂直(90 度)に起こす

4)片手で軽く膝を抑える

5)左ヒザに置いた手で軽くヒザを押す

6)息を吐きながら、上体はまっすぐのまま前に倒す

※おへそから上体を折り曲げるイメージで行う

※背中や腰を丸めないように注意する

※太モモ裏が伸びていることを意識する

7)ゆっくり息を吐きながら足首を内転させる

※内転する角度によって太モモ裏から内側にストレッチのかかる場所が変わる

8)少しずつ足首を内転させる

9)「イタ気持ちいい」ところで動きを止め、ゆっくり呼吸しながら5秒間ストレッチ

10)足を入れ替え、右足も同様に行う

11)左右、各3回ずつゆっくりと行う

 

小沢邦彦院長直伝

「疲れを残さない簡単セルフボディケア」
<お尻のストレッチ>

1)イスに座り、左足首を右足の太モモに乗せる

2)左手を左ヒザの上に置く

3)左手で軽くヒザを押さえながら、左ヒザが 90度にする

4)胸を張り、上体をまっすぐにする

5)目線をまっすぐ前に向けたまま、ゆっくりと息を吐きながら上体を倒す

※おへそから上体を折り曲げるイメージで行う

※背中や腰を丸めないように注意する

※左手で左ヒザを抑えておくとよりストレッチが掛かる

6)「イタ気持ちいい」ところで動きを止め、ゆっくり呼吸しながら5秒間ストレッチ

7)足を入れ替え、右足も同様に行う

8)左右、各3回ずつゆっくりと行う

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