お父さん必見!この夏、子どもの運動能力の成長を確認する

2018.8.16

livest!編集部

大人だからこそ「人生を楽しむ」

夏休みに親子でTRY!2人で楽しく運動神経アップ!

子どもたちと一緒に楽しい時間を過ごせる夏休み。元気いっぱいの子どもたちと一緒に、スポーツなどを楽しんでいるという人も多いだろう。しかし同時に、元気が溢れる子どもたちと対照的に、すぐに息が切れ、動けなる自分の体力のなさを実感する瞬間でもある。

子どもと長く一緒に過ごせるせっかくの夏休み。このチャンスに子どもも親も元気になれるエクササイズを遊びの中に取り入れ、一緒に楽しみながら大人も健康になる機会にしませんか?

メジャーリーガー岩隈久志投手らトップアスリートを指導すると同時に、未来のプロ選手をめざす子どもたちも指導するトップトレーナーの田邊大吾さんに、親子で一緒に楽しみながら体に良いエクササイズを考案してもらいました。

「ハードなトレーニングではないので老若男女誰でも簡単にできつつ、大人にとっては運動能力の低下防止に、子どもにとっては運動能力の向上に役立つ効果的な運動であると同時に、子どもの運動面での発育を親目線でチェックできるという側面もあります」(田邊トレーナー)

特に都会育ちの子どもたちの中には、普段の運動不足によって運動能力の発達が遅れている場合もあると田邊トレーナーは警告する。親として日々成長著しい我が子の発育の状態を、チェックするのに夏休みは絶好の機会でもある。

「いつまでも元気に子どもたちと走り回りたい」と考えるお父さんに。この夏休み、親子で楽しくコミュニケーションを取りながら取り組めるペアでする簡単エクササイズにトライしてみてほしい。

小学生が老化現象を起こしている?! 便利な現代社会に潜む運動器の機能低下という問題

「今、子どもたちの身体に重大な異変が起こっています」
子どもたちの身体が動かない――スポーツトレーナーとして多くの子どもたちの身体の動きを見ている田邉大吾さんは、最近、身体が非常に硬い児童が多いことに驚いてばかりだという。
「一番びっくりしたのが、最近、腰痛持ちの小学生がいるということ。我々の子ども時代には考えられない変化が起こっていると感じました」

2016年から小学生から高校生までを対象に、新たに「運動器検診」という健康診断が実施されているのを知らない人も少なくないだろう。
これは2014年の「学校保健安全法施行規則」の改定で新たに加わった学校内健康診断の検査項目で、「運動不足による身体の問題」だけでなく「運動過多による身体の問題」をチェックする。
「この検診が開始された理由は、主に現代の子どもたちの運動不足による体力・運動能力の低下、また一方で運動のし過ぎによるスポーツ障害という2つの極端な問題が深刻化しているからです」
実際に、「和式トイレにしゃがめない」「真っ直ぐ立っていられない」という生徒の増加や、児童の学校内での骨折の発生率が40年前の2.5倍になっているという報告があるという。

「運動器」という言葉はあまり聞きなれないが、これは骨や関節、筋肉、靭帯、腱、神経など身体を支えたり動かしたりする器官の名称であり、日常生活はもちろん、スポーツや娯楽など生活を豊かにするすべての活動の基盤となる身体の器官と定義されている(公益財団法人 運動器の健康・日本協会より)。
世の中が便利になればなるほど運動器の機能の衰えは促進してしまう。寝たきり状態や要介護状態はいわば「運動器の機能の衰え」によるものだが、お年寄りだけでなく現代の子どもたちの運動器の障害を増加させている遠因は、便利すぎるがゆえの運動不足ともいえるだろう。

「例えば運動器検診の中に『しゃがめるか?』や『腕や脚を動かすと痛みがあるか?』という項目があります。これから成長期をむかえる小学生にとって、健全に身体が発達しない危険があります。これは看過できない問題ですよ」
苦笑しながら話す田邊トレーナーだが、そこに至るにはさまざまな理由があると推測している。
「例えば、子どもが『頭が痛い』とか『お腹が痛い』とか言うと、保護者の方は心配してすぐに病院に連れて行きます。けれど、子どもが『ヒザが痛い』と言っても、『成長痛かも。ちょっとすれば治るよ』と軽く流すことも少なくない。一方で、野球やサッカーを熱心に頑張っている子どもたちは、身体から痛みというSOSが出ていても、それが運動器トラブルの危険信号だと自分で判断しづらいということもあります。だからこそ、子どもの身体からのSOSは、大人が敏感に察知してあげる必要があると思います」

メジャーリーガー岩隈久志投手が共同オーナーを務めるスポーツ施設「IWA ACADEMY」で指導する田邊トレーナーは、今、子どもたちの運動器の機能トラブルをチェックし、機能強化を行う指導を推進している。この活動の一環として、今年4月には親子でできる子どもの運動能力を引き出すための本(「親子で1日1分! 子どもの運動能力を引き出すうんこスクワット」)も出版した。
「この本はスクワットを行うことで、子どもたちの運動器の機能が正常に動くかどうかをチェックするとともに、スクワットをすることで機能の促進させることを提案しています。スクワットはとても簡単な運動ですが、股関節など関節の働きや上半身と下半身の連動した動きを促すとても効果的な運動なんです」

岩隈久志投手も田邊トレーナーが推奨するスクワット運動を自主トレに取り入れ、柔軟性を高め、ケガ防止に役立てているという。
そんな田邊トレーナーに今回、「親子で楽しくできる“体のバランスを整える運動”」として2人でできる簡単エクササイズを紹介してもらった。
「1つは親子でできるスクワットです。これはまずお子さんの運動器の機能をチェックするという目線で行っていただきつつ、正しい動作を継続することで機能の強化にもつながるエクササイズです。もう1つは足の指の動きを促すことで、スポーツ全般の競技力向上をめざすエクササイズです。保護者の方の運動不足解消にもつながりますので、できれば親子で一緒にトライしてください!」

親子でできる簡単エクササイズ(1)<スモウスクワット>

1) 親子で向かい合って立つ
※両足を肩幅につま先と膝を45°~60°に開き、頭、背骨、腰、足と中心に軸が通ってるイメージ

2) 両足の幅は肩幅大に広げ、つま先とヒザを45度から60度くらいに開く
※頭の先から背骨、腰、足の裏まで、中心に軸が通っているイメージで立つ


3) ヒザをゆっくり曲げ、真下に腰を下ろすイメージでしゃがむ
4) ゆっくりとヒザを伸ばし、真上に腰を上げるイメージで直立の姿勢に戻る
5) この動作を2人でゆっくりと10数えながら行う

親子でできる簡単エクササイズ(2)<サルの足トレーニング>

「足の裏でしっかりと大地を踏みしめ、足の指でしっかりと大地を掴むことを意識するエクササイズです。どんなスポーツをする時も、しっかりと大地や床を掴み、下半身を安定させることが基本であり、競技レベルの向上の重要なポイントになります。地味ですが、続ければ効果は抜群です。ぜひ親子で取り組んでください!」(田邊トレーナー)


1) 1人が仰向けになり、両足の指でボールを掴む
※サッカーボールなどの球技ボールでも可


2) 補助にサポートしてもらい、ボールを両足の土踏まずにしっかりと当てる


※補助者にサポートしてもらおう


1) ゆっくりとボールを掴んでいる両足を持ち上げる
※特に両足の小指を意識して指全体でボールを掴む

4) 5秒キープしたらボールを離す
5) 10回繰り返す

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