腰痛解消には胸を柔らかくすべきという新発想

2019.1.7

livest!編集部

40代の健康的な身体作りは骨格や筋肉の構成やその役割を知ることから

人生を楽しむ「キレイを追求する」

 

腰痛解消には胸を柔らかくすべきという新発想

 

腰痛で悩まされている人がたくさんいるだろう。

マッサージや整体で痛みを緩和させようとしたり、筋肉でカバーするために腹筋などの筋トレをしたり、多くの人がさまざまな工夫を凝らしてなんとか少しでも痛みを和らげようと涙ぐましい努力をしている。

スポーツトレーナーの田邊大吾さんは、そういう努力の前に一度自分の体と向き合うことを勧める。

あなたは自分の背骨が何個の骨で構成されているか知っているだろうか?

骨格や筋肉の構成やその役割を知ることで、ガムシャラに取り組んでいるケアやトレーニングがより効果的になり、腰痛解消につながる可能性が高まるはず。

身体のメカニズムに合わせた意外な腰痛解消法を田邊トレーナーが紹介してくれた。

田邊大吾

スポーツトレーナー

鍛えるだけがジムじゃない!身体のメカニズムを合わせた指導が魅力

「腰痛や肩こりなど身体のトラブルは、胸部の柔軟性を出すことで解決することがあるんですよ」

そう語るのは、高級パーソナルトレーニング施設「スポーツアカデミー IWA ACADEMY」でトレーナーとして活躍する田邊大吾さん。

メジャーリーガー岩隈久志投手が「乗り越えた失敗や挫折など、これまでの経験で培った本物のノウハウを多くの人に伝えたい」という思いで開業したトレーニング施設で、現役プロアスリートから将来プロ選手をめざす小学生まで幅広く指導するトップトレーナーだ。

「背骨のうち、『頸椎』と呼ばれる7個の骨と『腰椎』と呼ばれる5個の骨は、ほかの骨とつながっていないため動きやすい。一方で『胸椎』は肋骨とつながっているため、背骨の中でも固定されて動きが少ない場所なんです」

24個の背骨のうち、中央に位置し、ちょうど半分の12個で構成される胸椎。この部位は肋骨で固定されているため動きが制限されるぶん、首や腰より守られているといえる。しかしその反面、「柔軟性を失いやすい部位でもある」と田邊トレーナーは言う。

「例えば『腹筋を鍛えることで腰痛をカバーする』という考えがあります。状態の良くない腰を、筋肉でコルセットのように固定することで痛みを減らそうというよく知られた対処法です。しかし、じつは『体全体の柔軟性を高めることで腰への負担を減らす』という、真逆のアプローチで腰痛を緩和させるやり方もあるんです」

まさに「柔能く剛を制す」のことわざをイメージさせる逆転の発想。

トレーニングコーチにありがちな「ただ筋肉を鍛える」という指導でなく、体全体のバランスやそれぞれの部位の関係性をよく見た上で的確なアドバイスをするのが田邊トレーナーの特徴。その「一方的ではない」指導法で、田邊トレーナーはトップアスリートから小学生まで幅広い層から絶大な支持を得ている。

共同オーナーである岩隈投手に信頼を得て、施設の設計レイアウトから携わったという田邊トレーナー。IWAのオープンは2016年3月。以降、岩隈投手他、メジャーリーガーやJリーガー、オリンピアンと錚々たるトップアスリートを指導する。

そんなゴッドハンドに「肩こりや腰痛、呼吸が浅いなどの体調不良の原因を改善させる、胸の柔軟性を取り戻すストレッチ」を伝授してもらった。

「身体は全体のバランスが大切です。腰痛だからと腰を固めるよりも、身体全体の柔軟性を意識するほうが、結果的に腰痛の改善にもつながったりする。しかも胸の柔軟性を取り戻すことで、バストアップにもつながります」

肩こり&腰痛などの体調不良を改善する胸部の柔軟性を取り戻す簡単ストレッチ

腹筋を鍛えて腰痛をカバーするといっても、特に女性の場合は簡単ではない。

「女性は筋力でサポートするよりも、柔軟性を高めることで体全体がしなやかに動くことをめざす。そして首や肩、腰への負担を軽減するほうが取り組みやすいと思います」

そう語る田邊トレーナーが、さらに女性には嬉しい相乗効果も教えてくれた。

「胸を柔軟にすることで、呼吸がしやすくなります。結果、さまざまな体調不良を改善することにもつながるという相乗効果があるんです。相乗効果と言えば、胸の柔軟性を取り戻すことで、バストアップにもつながるというメリットもあるんですよ」

① 仰向けに寝転がり、両手を広げる

② ストレッチポール(なければバスタオルなどを重ねて敷く)を胸の真下に置く

③ できる限り大きく体を伸ばし、胸を大きく開くことを意識する

※ 身体の力を抜き、リラックスした状態で行うこと

※ 頭とお尻は床に着いた状態を維持する

④ 一番身体が伸びた状態で、ゆっくりと深呼吸を10回行う

※ 朝、目覚めた時、または風呂上がりに行うと効果的

関連記事