僕はあまりに「食と身体の関係」について無知過ぎた

2020.5.1

安彦考真

「食」で肉体は蘇る!40歳Jリーガーの体質改善物語(第6回)

コロナウイルス感染拡大の影響でリーグ開幕が延期されたことで心身を再調整する時間を得た安彦選手は、まず体質を根本から改善することを試みることにした。

そんな時に出会ったのはオーガニック食材や酵素関連商品などの販売を手がける会社の社長「きみたん」だった。彼女はケガやアレルギーに悩む安彦考真選手にファスティングを勧めた。

これは40歳でJリーガーとなった1人の男が徹底的に「食」を見つめ直し、さまざまな療法に取り組んだプロセスを赤裸々に語る物語だ。

「食」に関するさまざまなアプローチを実体験し、その時々の心境や結果を正直に綴った安彦考真選手による「40歳から始める体質改善」のリアルストーリー。

 

第1回→ http://www.livest.net/real/4827.html

第2回→ http://www.livest.net/real/4833.html

第3回→ http://www.livest.net/real/4864.html

第4回→ http://www.livest.net/real/4900.html

第5回→ http://www.livest.net/real/4907.html

 

「食」で肉体は蘇る!40歳Jリーガーの体質改善ストーリー

第6回

 

僕はあまりに「食と身体の関係」について無知過ぎた

安彦考真

 

40歳でJリーガーとなるという目標を立てた瞬間から、20年近くプロ仕様のトレーニングをしていなかった僕は、40歳の肉体に厳しいトレーニングを課し、ゼロから鍛え直した。

パーソナルトレーナーの指導のもと、数ヶ月間、地獄のトレーニングを積み重ねた僕の肉体は、数値で見れば20代のプロサッカー選手と比較しても負けていないものにまで高められていた。

 

その後、念願のJリーガーとなった僕は、毎日のプロサッカーチームのトレーニングに必死に食らいついた。

日本スポーツ界を代表するプロアスリートたちのトレーニングの内容は、アマチュア時代とは桁違いにハードなものだった。

 

チームの一団の最後方を鬼の形相で食らいついている僕の様子を見て、最初、若手選手は笑っていた。

それはそうだ。自分の親くらいの年齢のオールドルーキーが、チーム最下位のタイムで顔を歪めながらバタバタ走っている。その姿はギャグにしか見えなかっただろう。

 

けれど、僕は毎日ギブアップすることなく、その(僕にとっては厳しく、チームメイトにとっては当たり前の)トレーニングメニューをこなし続けた。

そんな僕の立ち振る舞いを見て、最初は笑っていた若手選手が、徐々に応援してくれるようになった。

 

「アビさん、がんばれ!」

設定されたタイムを突破できるかギリギリの状況で、必死で走り続ける僕の背中に向けて、チームメイトたちから自然と声が上がり始めた。

僕は死にそうなほど苦しいのと、その声が途轍もなく嬉しいので、涙が溢れそうなのを必死で堪えながら走り続けた。

 

そして、いつからか僕が最後方を必死な顔で走っていても、誰も笑うことはなくなった。そして自然発生的に応援してくれるようになった。

僕が本当の意味で、仲間として認められた瞬間だった。

あれから3シーズン目を迎えた今年。

僕は別の意味で、チームメイトの背中を見ながらトレーニングに取り組んでいた。

 

あの頃は、僕はチームメイトと同じトレーニングメニューをこなしていた。しかし、42歳となった今の僕はケガのリハビリのため、チームメイトとは別メニューでチームの全体練習の時間を過ごしていた。

あの頃より、チームメイトの存在は身近になっていたが、あの頃より彼らの背中は遠く感じることが増えた。

Jリーガーとなってからのハードトレーニングに取り組む数年間で、僕の40代の身体は満身創痍な状態だった。

 

2020年1月。

今シーズンを最後と決めた僕は、最後の1年間、プロ選手として戦い抜ける身体作りをめざして、今まで以上にハードなトレーニングを課していた。

しかし、経年劣化状態の40代の肉体は、ハードなトレーニングをするほど故障する箇所が増え、故障が発症するスパンも短くなっていた。

 

「何かを変えなければ。しかも根本的に……」

ラストイヤーを納得できるものにしたい。だからこそ、今までとは違うやり方で戦い抜ける肉体を取り戻したい……。

そう考えていた僕に、今まで試したことのないやり方の提案をしてくれる人が現れたのだった。

オーガニック食材や酵素関連商品などの販売や食事改善のための料理教室などを経営している「美と健康の総合」を謳う会社「Kimitan house」。

その代表取締役社長である「きみたん」こと、佐藤紀美子さんは、ケガやアレルギー、便秘に悩む僕に、ファスティングによる体質改善を提案してくれた。

「ファスティングとは?」

(以下、「Kimitan house」公式サイトより引用)

断食は古来、宗教的な儀式や精神的修行の1つとして行われてきましたが、近年では健康増進や美容、アンチエイジングの画期的なメソッドとしても科学的な研究も盛んに行われています。

ファスティングの方法とは、基本的に6日間、決められた物以外の物を摂取しないで、消化器官を休ませ、体の中からリセットすることでの体質改善を目的にしています。

体重を落としたい方、痩せすぎで体重を増やしたい方、健康や美容を気にかける方、ファスティングは新しいライフスタイルの提案です。

無添加発酵酵素ドリンクトキメキエンザイムを用いて、必要なミネラル、ビタミンを補給しながら無理なくファスティングができます。

5日~7日回復食をします。籾発芽玄米、麦味噌、合こんぶ、蓮茶、で更に排毒して細胞再生しながら体質改善します。

(以上、「Kimitan house」公式サイトより引用)

僕はこれまで本格的なファスティングを実践したことはなかった。ファスティングについて詳しく調べたこともなかった。

だから、きみたんのファスティングに関する説明は驚くことばかりだった。

 

きみたん曰く「食事と(内皮という薄い細胞の層で血流の調整をする)血管内皮機能には相関があり、動物性タンパク質が体の中で炎症作用を起こしている」という。

血管は筋肉や臓器の必要な血液量に応じて拡張するのだそうだ。けれど、炎症によって血管の細胞が弱まると血管が拡張できず十分な血液が流れなくなってしまう。

その結果、身体を動かすパフォーマンスが落ちてしまうのだと、きみたんは言う。

 

また「動物性タンパク質と脂肪の影響は大きく、食後6〜7時間、血液に影響を及ぼす」ということ。そして「日本人の腸は外国人の腸より2mも長い」ということ。

その結果、消化に時間がかかり、腸の働きが悪くなるということを説明してくれた。

 

「アレルギーの原因はそこにある」と、きみたんは熱く語ってくれた。

知らないことだらけだった。

 

そんな大事なことなのに、僕はまったく知ることなく、ただガムシャラに身体に負荷をかけ、過酷なトレーニングを課し、食べたい物を食べ、戦うための身体を作ろうとしていた。

しかし、その結果は、戦うための身体作りにとっては逆効果とまでは言わないまでも、非常に効率の悪い方法で、時に身体を痛めつけていたのだった。

 

きみたんの話を聞いて改めて振り返ってみると、確かに牛肉を食べた次の日は身体が重かった。

それは昔からそうだったので、単純にそんなものだと思っていた。ただ単に食べ過ぎだったのかもしれないと思っていた。

けれど、きみたんの説明が正しければ、僕は自分の腸に相当な負担をかけていたということになる。

筋肉をつけるために牛肉を食べる……スポーツ選手が学生時代から根拠なく思い込んでいるやり方は、きみたん曰く非常にまずいやり方だったということだった。

 

一通り説明をし終わったきみたんは、驚きを隠せない僕に、ファスティングをすることを勧めてくれた。

(つづく)

 

第1回→ http://www.livest.net/real/4827.html

第2回→ http://www.livest.net/real/4833.html

第3回→ http://www.livest.net/real/4864.html

第4回→ http://www.livest.net/real/4900.html

第5回→ http://www.livest.net/real/4907.html

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