終戦から80年、私たちは過去から何を学んだのだろう?

2026.1.12

livest!編集部

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【映画鑑賞】「野火」

 

終戦から80年という大切な節目の夏に、語り継ぐべき映画として上映された「野火」。

もっと殺し合いの場面や残忍な場面ばかりかと身構えながら鑑賞したが、むしろひどい残虐シーンは最近の映画で見慣れてしまっているようだ。

映画の製作は1959年で、終戦から15年ほどしか経っておらず、映画を製作した人たちも出演者も、映画を観る側の人たちも、戦争の記憶がまだはっきりと残っている人たちばかり。

忘れたい記憶、忘れてはいけない経験、複雑な心境を胸に残したまま、この映画を製作し、映画館で鑑賞しただろう。

絶対に嘘はつけないし、絶対に余計な感情を持ち込んではいけない。
リアルを知っている人たちに向けて、それでも映画というフィクションとして映像作品を後世に残しておかなかければならないという強い意志が、さまざまな場面から感じられた。

余計な演出や過剰なセリフは一切なく、モノクロのスクリーンの中で戦場のリアルが淡々と映し出されていく。

そこでは、誰も「お国のために」と言わないし、「日本万歳」とも叫ばない。
敵軍と戦うことさえ避け続け、ただ灼熱の異国の地で生き残ることだけを考え、兵士たちは生き続けていた。

もうこんな恐ろしい世界にしてはいけない — スクリーン越しに65年前からのそんな
メッセージが送られてきたように思えた。

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関ヶ原の戦いが1600年。
そこからちょうど80年後、徳川綱吉が将軍の座に就いた。

当時はすでに戦いを知らない人たちで街は賑わい、華やかな文化が咲き誇り、誰もが平和な時代を謳歌していた。

そこから幕末の動乱まで、150年ほど平和な時代は続いた。
江戸時代では、戦争の悲劇から学んだ人々は、平和を大切にし、殺し合いが起こるような争いを避け続けた。

今年、終戦から80年。
私たちの周辺には、きな臭い匂いが立ち込め始めている。

私たちは歴史からいったい何を学び、なにを得たのだろう。

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