クラシック音楽に触れる機会に満ちる街「東京」

2019.6.26

livest!編集部

【クラシック音楽】人生を豊かにする新たな趣味として

「人生を豊かにする」

40代から始める【クラシック音楽】

「人生をもっと豊かにする」「新しい経験と出会う」ことをめざして、さまざまな実体験にトライするlivest!。

少し敷居が高いと思われていることこそ40代から始めるに相応しい——ということで、livest!が最初に選んだのは【クラシック音楽】。

誰もがよく耳にしているわりには意外と知らないクラシック音楽の魅力を、コンサートホールでのオーケストラ演奏のライブ体験を重ねることで少しずつ知っていく過程を記録。

この体験記を読むだけで少しずつクラシック音楽の魅力を知ってもらいたい——ということで、知識ゼロの状態からのクラシック音楽超初心者のリアル体験談を紹介していきます。

クラシック音楽の始め方

最初の一歩に最適な人気交響楽団の「定期公演」

東京フィルハーモニー交響楽団の定期公演の1つ、「休日の午後のコンサート」を東京オペラシティコンサートホールにて鑑賞。

日本には多くの交響楽団が活動していて、東京フィルハーモニーはその代表的存在といえる楽団の1つ。

東京だけでも、東京フィルハーモニーのほかNHK交響楽団や日本フィルハーモニー、読売日本交響楽団など、上質の演奏を行う大規模交響楽団が多数活動していて、各交響楽団が毎日さまざまなコンサートホールで質の高いクラシック音楽のコンサートが開催される東京は〝クラシック音楽ファンにとっての天国〟とも言える場所です。

そんな場所で生活している人にとって、この好環境を活用しない手はないと言えます。

多くの交響楽団は首都圏のコンサートホールや地方公演などで単発のコンサートも多数開催していますが、「定期公演」と呼ばれる年間を通じてスケジュールが決まっている定期的に開催される公演が活動のベースとなっています。

 

東京で活動する主な交響楽団

東京フィルハーモニー交響楽団 (http://www.tpo.or.jp

日本フィルハーモニー交響楽団 (https://www.japanphil.or.jp

新日本フィルハーモニー交響楽団 (https://www.njp.or.jp

読売日本交響楽団 (https://yomikyo.or.jp

NHK交響楽団 (https://www.nhkso.or.jp

東京都交響楽団 (https://www.tmso.or.jp

東京交響楽団 (http://tokyosymphony.jp

どんなコンサートを開催しているのか知りたければ、上記にあげたような交響楽団の公式サイトを見れば一目瞭然。

どの交響楽団の公式サイトでも今後開催予定の魅力的なコンサートがわかりやすく紹介されていて、気になった公演のチケットもそこで買える場合がほとんど。クラシック音楽に興味を持ったらまずは各団体の公式サイトをチェックしてみるのがオススメです。

ただ、それらの団体の各サイトには毎日のように開催されているたくさんコンサートが紹介されているので、初心者にとっては「どれを選んでいいかわからない……」ということも。
そんな時は、まずは各団体が主催している「定期公演」の中から選んでみるのが取っ掛かりとして良いでしょう。

各団体主催の定期公演は歴史もあり、固定ファンがついている人気公演。
たいていの定期公演は事前に「定期会員」を募り、年間チケットを先行販売しています。事前にある程度の集客が見込めるため、チケット代が本格的なクラシックコンサートにしてはお手頃な公演が多いのが特徴。

また各団体ともさまざまなテーマ設定の定期公演を複数開催していて、ディープなクラシック音楽ファン向けのちょっとマニアックな選曲が特徴の定期公演もあれば、初心者向けの人気曲中心に演奏される定期公演もあり、自分のクラシック音楽の好みやレベルに合わせて細かく選べるというのも大きな利点です。

この日のコンサートは、東京フィルハーモニー交響楽団の定期公演の1つ、「休日の午後のコンサート」。

指揮はチョン・ミンさん。演奏される曲目は、チャイコフスキーの「歌劇『エフゲニー・オネーギン』より“ポロネーズ”」と「バレエ組曲『白鳥の湖』。そしてメンデルスゾーンの「交響曲第4番『イタリア』より第4楽章」、ベートーヴェン「交響曲第7番」という構成。

じつは、この日の数日前にも同じホールで同じオーケストラと同じ指揮者のコンサートを平日の夜に鑑賞していました。この日は週末の昼間の公演ということもあるのか、その時とは客層は少し違ったこともあって、会場内の雰囲気も少しカジュアルな感じ。

平日夜の公演はクラシック音楽を愛好してン10年という方が、一人で音楽鑑賞を楽しみにきている人が多い印象。「クラシック音楽の道」を極めるディープファンが仕事終わりに集結する、超初心者には少し敷居の高い雰囲気があるかもしれません。
しかし、休日の昼間の公演はどちらかの趣味に合わせてか、デートなのか、ご夫婦揃ってというお客さんが多い印象で、少しカジュアルな雰囲気の公演が多い気が。

さらに今回の定期公演は、そのタイトル通り「休日の午後のコンサート」ということで、途中途中で指揮者のチョン・ミンさんへの質問コーナーがあったりして、よりリラックスムードが溢れる公演となりました。

司会進行役の女性が通訳を兼ねて、指揮者のチョン・ミンさんに質問形式でのインタビュー。世界各国で活動をしているチョン・ミンさんは何ヶ国語も話せる国際派。しかし日本語は話せないとのことで、英語での質疑応答。

チョン・ミンさんはお父さんチョン・ミンフンさんは世界的指揮者ということもあり、幼少の頃から世界各国で暮らしていたとのこと。ご両親は韓国人ですが、フランスやイタリアで過ごした時期が一番長いというチョン・ミンさん。生まれたのはドイツで、現在の国籍はアメリカ。普段はご両親やご家族と英語やフランス語で話すなど、(当たり前ですが)インターナショナルで超インテリなチョン・ミンさん。

この日のコンサートのチケットを手に入れた理由が、数週間前にもチョン・ミンさん指揮のベートーヴェン「交響曲第7番」をサントリーホールで聴き「ぜひもう一度聴きたい」と思ったから。
チョン・ミンさんはこの日の質疑応答え、子どもの頃にベートーヴェンの第九を聞いて音楽家を目指したとのことで、この日のベートーヴェン「交響曲第7番」の指揮も情熱溢れるものでした。
しかし、先日のサントリーホールでのコンサートの時とは、同じ指揮者による同じ曲でも全然違う曲に感じました。

同じ指揮者が同じベートーヴェンの曲を指揮しても、もちろん会場やオーケストラが違うとはいえ、これだけ全然違う演奏に聴こえてしまうということに、改めてクラシック音楽の奥深さを感じました。

もちろんこの感覚は人それぞれで、聴く人によってはどちらが良かったか、それとも違いはなかったかなど、感想は十人十色になるはず。

しかし、クラシック音楽の演奏を鑑賞することについては「正解」はないと思っているので、どう解釈して、どう評価するかは個人の自由。だからこそ、たくさんクラシックコンサートに通い、たくさん演奏を(真剣に)聴き、いろいろ感じること、その積み重ねが大事かなと思います。

それはミュージカルや舞台観劇でも同じで、良し悪しの感想はあくまで個人の好みやその時の感情や心境、体調などが大きく影響するもの。できればあまり余計な予備知識で頭でっかちになったり、先入観を持ったりせずに実際のコンサートにまっさらな気持ちで足を運び、自分の目や耳で実際に確かめてみることが大事だと改めて感じました。

たとえネットなどでの感想があまり評判が良くなくても、自分自身が感動したり、心を動かされれば、それは素晴らしい作品だったと言えます。人の意見にあまり影響されないことが、特に蘊蓄の多いクラシック音楽の鑑賞や目の肥えたファンの多いミュージカル観劇の趣味を長続きさせる秘訣と言えるかもしれません。

東京フィルハーモニー交響楽団「休日の午後のコンサート」

東京オペラシティコンサートホール

指揮:チョン・ミン
曲目
・チャイコフスキー/歌劇『エフゲニー・オネーギン』より“ポロネーズ”
・チャイコフスキー/バレエ組曲『白鳥の湖』
・メンデルスゾーン/交響曲第4番『イタリア』より第4楽章
・ベートーヴェン/交響曲第7番