人生を左右する大きな選択をJリーガーはどう考えたか?

2018.9.3

livest!編集部

リアルアンサー
2018年8月27日の質問

「高校サッカー部」か「Jクラブユース」か。サッカー人生を左右する選択のヒント

サッカーをプレーする15歳前後の大きな悩みの1つに、その後「どこでサッカーを続けるか」という進路の選択がある。もちろんどの選手もすべて自分の希望通りの選択先に進める訳ではなく、進路先が出す条件を満たして初めて成り立つ選択肢だが、本気でプロサッカー選手をめざすプレイヤーにとっては重要な選択だ。

中学卒業後の進路として、「高校に進学してサッカー部に入る」か「Jクラブのユースでプレーする」という2つの大きな選択肢がまずある。そしてその先に「どの高校を選ぶか」「どのJクラブを選ぶか」というさらなる選択肢が続く。

現在、水戸ホーリーホックでプレーする安彦考真選手はバリバリの部活出身。一方、佐藤祥選手はJクラブユースを経由してJリーガーとなった。

そんな学生時代の環境が対照的な2人に、進路を考えている若きサッカー選手とその保護者の方が、将来について親子で話し合う際のヒントになるように、「部活」と「ユース」の良さや魅力を、自身の経験をもとにリアルアンサーしてもらった。

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どんな選択をしても、自分の意識次第で「正解」にできる

時代的な背景もありますが、僕の育った環境には「クラブチーム」なるものは存在していませんでした。小さい頃から一緒にボールを蹴っていた仲間とそのまま成長していき、同じ学校に行き、そこでサッカーをするための選択肢は「部活」だけでした。

中学の部活では部長を務め、チームのレギュラーとしてプレーしていましたが、チームメイトの半分が選抜に選ばれる中、僕はまったく選ばれないタイプの選手でした。それでも小さい頃からの友だちと一緒にサッカーをすることが楽しくて仕方なかったのを今でも鮮明に思い出します。

高校は行きたい高校へは「偏差値」という理由で行くことができず、近くにある高校に入学しました。

入った高校はいわゆる「ヤンキー高」でした。部活紹介ではリーゼントや金髪、パンチパーマの先輩が、「入部待ってるぜ!」と言っている姿を見て「僕の高校サッカーは終わった」と思いました(笑)。そこからは、小学、中学時代の仲間の活躍が羨ましくて仕方なかったのを今でも覚えています。

そんな僕にも転機が訪れます。

当時高校2年生のクラス担任が40歳の「マラソン日本一」の記録を持っている先生でした。

僕は足の速さに自信が持てず、プレーに積極性を欠いていて、それが中学校時代からの悩みでもありました。そこで先生相談したところ、一度陸上部に入ってみないかと誘われました。

当時サッカー部は、まともに練習をしている状態ではなかったので、僕にはいい機会だったのです。実際に陸上部に入ってから半年弱でかなり走りを改善でき、50mを7秒フラットだったタイムが6.1秒まで縮めることができました。

そこで得た自信はプレー面だけではなく、人間的にも強く逞しくしてくれました。グダグダだった部活を「一新」するために、同級生、下級生関係なく、「やる気のないやつはやめろ」と怒鳴り散らしながら本気のヤツだけ残ればいいと思って動き出したのです。

その結果、残った部員は3名……(笑)。やり方を完全に間違えてしまいました(笑)。

その後からは対話をしてできるだけ話を聞き、もう一度みんなで戦おうと一つになることができました。

進路を選ぶためには「勉強」も必要

当時ベルマーレユースに進んだ同級生が1人いましたが、彼がとっても輝いて見えました。でもそれは、彼が輝いていたことも事実ではありますが、僕自身が劣等感の塊となり「隣の芝が青く見える」状態だったのです。仲間と一緒に公式戦に挑めるようになった頃には、その彼のことを羨ましがったりすることがなくなっていました。

この時期、部活にするかユースにするかなど悩まれる方が多いと思いますが、僕ができるアドバイアスはたった2つです。

1つは、どんな環境も自分の意識一つで変えることができます。もし環境が合わなければ今はその環境を変えることもできます。どんなことであれ自分の意思で決めたことは変えてもいいのです。

もう1つは、入りたい高校があったとき偏差値的なものがネックで入れないのはもったいないので、最低限の勉強でそれなりの成績を残しておくことをオススメします!

自分の人生を輝かすことができるのは、友だちでも親で先生でもありません。あなた自身がそのために「努力の量」をどれだけ重ねられるかどうかです!

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