夏休みの家族旅行が私たちに与えてくれたこと

2019.9.1

livest!編集部

【エンタメ鑑賞ブログ】映画「ライオンキング」を観て感じたこととは?

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夏休みの家族旅行が私たちに与えてくれたこと

映画「ライオンキング」

あなたはいったい今年の夏はどんな過ごし方をしただろう?

振り返ってみて「去年と今年の夏の区別がつかない」という人は、一度自分の人生を見つめ直す必要があるかもしれない。

社会人ともなれば、夏だけでなく季節関係なく忙しいという人もいるだろう。しかし、2019年の夏、その年齢での夏は今年しかないというのは紛れも無い事実。後で時間に余裕ができても、もう一度やり直すことは不可能だ。

記憶を辿って、子どもの頃の夏休み。親に連れられて家族旅行に行った思い出は、大人になっても意外と記憶に残っている。

海や山、都会や田舎、海外など行った場所はさまざまだ。長い旅だけでなく、日帰り旅行の場合でも、その思い出は深く記憶に刻まれている。そして、それは単に楽しい思い出だけでなく、失敗談や危なかった体験、不思議な体験など、さまざまな感情や光景、匂い、音など五感を交えた記憶として残っていることが少なくない。

もちろん年齢を重ねるに連れて、その記憶は薄くなり、ところどころ勝手に改ざんされているところもあるだろう。しかし、どこか心の奥底に特別な記憶としてしっかりと根を張って残っている。

映画「ライオンキング」は、そんな子どもの頃の家族旅行をふと思い出させてくれるものだった。

この映画を観たのはキャナルシティ博多。

今回、ミュージカル「レ・ミゼラブル」の千穐楽公演を博多座まで観に行った翌日、飛行機の搭乗時間まで中途半端に時間が余った際、急遽、キャナルシティ博多で「ライオンキング」を観ることになった。

観たのは4Dシアター。

博多で上映されている映画の中で、開始時間に間に合い、終了時間が飛行機の時間に間に合う範囲に収まるのがキャナルシティ博多の「ライオンキング」の4D上映の回だけだった。それだけの理由で予定外の4Dでの鑑賞となった。

平日だったが、まだ夏休みだったからなのか、館内はファミリーが多くほぼ満席。一時期多くの大作映画が3D、4D仕様で上映されていたが、最近は減少傾向なのか、自身でも観る機会がなくなっていた。今回、想定外ながらひさびさに3Dメガネをかけて約2時間のディズニーの世界を堪能することができた。

「ライオンキング」はミュージカル版はニューヨーク・ブロードウェイやロンドン、もちろん劇団四季でも何度も観劇しているが、映画版はDVDでしか観たことがなかったため、映画館で「ライオンキング」を観るのは初めて。

先日観た映画「アラジン」と違い、ストーリーはミュージカル版とほぼ同じということもあり、頭の中でミュージカル版のシーンと比較しながら実写版の映画を鑑賞。ただ4Dということで、常に座席が動くか風が吹くか水がかかるかして、じっくりのんびり鑑賞という訳にはいかず。(子どもたちの大喜びの声も加えると5D状態・笑)

この「ライオンキング」。ミュージカル版でも感じたのは、エンタテインメントの王道ストーリー構成をしっかり踏襲しているということ。

例えるなら「動物版『千と千尋の神隠し』」。

「自分」というものを掴みきれない若者が、現実から離れて異界に迷い込み、その中でさまざまな出会いや経験を重ねる中で「自分の居場所」や「自分のすべきこと」を見つけ、現実に戻っていく……というもの。

「ライオンキング」では次の王として生まれたシンバが、他者から与えられた「王子」という自分の居場所と自身の距離感を掴めないまま迷い、抗う中、父親殺しの罪をなすりつけられて、現実逃避。そこで出会ったティモンとプンヴァとともに非現実的な生活を送る中、自身が生まれ育った王国の危機を知り、自身の使命に気づいて現実に戻るという流れ。

この映画を観ながら、子どもの頃の夏休みの家族旅行の記憶がふと思い出された。

今までは単なる家族の親睦という意味合いにしか受け取っていなかった子ども時代の家族旅行だたが、この映画を観て、子どもにとっては期間限定で未知なる異界と出会い、非現実の世界でしかできない経験がたくさんできる貴重な機会だったのかもしれないということに気づいた。

幼い頃の家族旅行で子ども時代の私たちが無意識に体験していたのは、もしかすると自身の居るべき場所を再認識し、そして現実世界に戻るという擬似シンバ(千尋)体験だったのかもしれない。

改めて、あなたは今年の夏をどんな風に過ごしましたか?

映画「ライオンキング」

監督 ジョン・ファヴロー
原作 『ライオン・キング』
音楽 ハンス・ジマー
製作会社 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ、フェアビュー・エンターテイメント
配給 ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
公開 2019年8月9日
上映時間 119分

シンバ ドナルド・グローヴァー 賀来賢人
幼いシンバ JD・マックラリー 熊谷俊輝
ナラ ビヨンセ・ノウルズ=カーター 門山葉子
幼いナラ シャハディ・ライト・ジョセフ 小林星蘭
ムファサ ジェームズ・アール・ジョーンズ 大和田伸也
スカー キウェテル・イジョフォー 江口洋介
ティモン ビリー・アイクナー ミキ・亜生
プンバァ セス・ローゲン 佐藤二朗
サラビ アルフレ・ウッダード 駒塚由衣
ラフィキ ジョン・カニ 駒谷昌男
ザズー ジョン・オリバー 根本泰彦
サフィナ ペニー・ジョンソン・ジェラルド 伊沢磨紀
シェンジ フローレンス・カサンバ 沢城みゆき
アジジ エリック・アンドレ 白熊寛嗣
カマリ キーガン=マイケル・キー 加瀬康之

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