なぜ日本から期待の若手が旅立っていくのか?

2019.9.12

livest!編集長

感動を与えてくれるエンタテインメントを気軽に観れる環境をどう捉えるか

人生を哲学的に見つめ、日々考えたことや感じたこと、学び、体験についての思いをまとめ、書き留める「人生哲学研究家」のブログ。

編集長ブログ
2019年9月12日

「日本のエンタテインメントがもっと発展するために意識すべきこと」

 

少し前の記事ですが、劇団四季がオーディションを開催するというニュース。

 

劇団四季がオーディションを開催 未来を託す才能を求め「研究所生徒」および「一般即戦力」を募集

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190817-00000317-devi-ent

海外では、特にプロスポーツチームのほとんどは自前の専用スタジアムを持っているし、オーケストラやオペラなどの歌劇団も自分たちが主として使えるコンサートホールや劇場を持っている。ロンドンやブロードウェイでは自前でなくても常設の劇場が数多く存在し、人気公演は何年もその劇場で上演されている。

改めて考えてみれば、日本では数少ない「常設の専用劇場」を持つ劇団として、長く人気を継続しているのは宝塚歌劇団と劇団四季くらいかもしれない。スポーツクラブやオーケストラでも、日本でほぼ自分たちがメインで使える会場を持つ団体はプロ野球のいくつかの球団くらい。Jリーグクラブで言えば、柏レイソルが自前のスタジアムを持っているくらいか。

そう考えると、劇団四季や宝塚歌劇団が、海外では当たり前のことを日本で継続しているというのがどれだけ難しいことか。

海外、例えばロンドンやブロードウェイ、ウィーンなどの劇場に行った際、来場者層を見ると、地元のファンと同等以上に海外からの観光客が多く目につく。多くの観光客は「せっかくだから本場の本物のエンタテインメントが見たい!」と決して安くはないチケットを購入し、滞在期間の重要な楽しみとして現地のエンタテインメントを楽しむ。

一方で、日本では、プロ野球やJリーグ、ましてや日本の演劇やミュージカルを海外の観光客が会場まで足を運んで楽しむということは少ないように感じる。

もちろん、ロンドンやブロードウェイでは当たり前だがパフォーマンスは英語で行われる。その点で言えば、日本語で行われる日本での劇場公演は海外の観光客を取り込むのはハードルが高いと言える。

プロ野球やJリーグで活躍した若手選手たちは、メジャーリーグやヨーロッパのサッカーリーグに移籍することが当たり前になってきた。

一昔前は、国内では敵無しとなったスーパースターだけが海を渡るイメージだったが、今はまだ国内で大きな実績を挙げていない若手選手でもどんどん海外に移籍している。そして、音楽やバレエ、ダンスの分野でも、日本の才能ある若いアーティストたちは当たり前のように海外に旅立っている。

もちろんそれでもスポーツでも芸術でも、日本では今、次々と次世代の才能ある若手が生まれる好循環に恵まれている。しかし、個人の才能や努力に任せてばかりで、有望な才能あるアーティストやアスリートが国内をベースに活動するサポートをしないでいると、徐々に日本の国内のスポーツやエンタテインメントは突出した才能をライブで観ることができなくなっていくことになってしまうのではないだろうか。

私たち、観客の立場でも、日本の才能ある若手アーティストやアスリートを育てる環境、気持ちよくパフォーマンスを発揮できる環境を提供するという発想を忘れてはいけないような気がする。

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