「サッカーを楽しむ姿勢」を銀河系軍団から学べ!

2018.8.20

livest!編集部

リアルアンサー
2018年8月18日の質問

ロベカル来日で日本サッカー&フットサル界はどう変化するか?

水戸ホーリーホックの安彦考真選手は、かつてブラジルでプレーしていた経験を持ち、また現役を離れていた時期にはFリーグのプロモーション事業などに関わっていたと聞きます。

先日、ブラジル代表として数々の栄光を手にし、また銀河系軍団と呼ばれたレアル・マドリードなど世界的名門クラブで長く第一線で活躍したロベルト・カルロス選手が、日本フットサルリーグ「Fリーグ」に〝1日限りの〟参戦が発表されました。

アンドレス・イニエスタ選手がヴィッセル神戸に、フェルナンド・トーレス選手がサガン鳥栖にと、スペイン代表としてまた世界的名門クラブで大活躍した2人のレジェンドが今シーズン、Jリーグでプレーしています。またジーコも16年ぶりに鹿島アントラーズに復帰しました。

安彦選手は、かつてジーコの実兄で、ジーコがサッカー日本代表監督を務めていた時はテクニカルディレクターとしてジーコを補佐していたエドゥ氏のもとで長く活動していたという経歴を持っていると聞いています。

このビッグニュースに関して、現役Jリーガーの中で安彦選手はまさにリアルアンサーに最適な選手の1人です。

ロベルト・カルロス選手は現在45歳で、無尽蔵のスタミナによるオーバーラップや「悪魔の左足」と呼ばれたフリーキックなど、絶頂期と同じプレーができるか難しいかもしれませんが、そのネームバリューと話題性は、Fリーグにとって三浦知良選手がフットサル日本代表としてプレーして以来の大きな注目を集める出来事でしょう。

テレビ越しに見ていたFIFAワールドカップ やUEFAチャンピオンズリーグで大活躍していた世界的名選手たちと、日本のピッチで実際に対戦できる可能性があることは、現役Jリーガーにとっても高いモチベーションに繋がることだと思います。

今回、安彦選手に、フットサルやFリーグというものについて自身の経験や見解をベースに、ロベルト・カルロス選手の参戦についてどのように感じるかをアンサーしてもらいました。

 

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「サッカーを楽しむ姿勢」をレジェンドたちから学べ!

ロベルトカルロスのFリーグ加入!
なかなか衝撃的なニュースが飛び込んで来ましたね!

僕がブラジルでプレーしていた時は、サッカーの練習の一環としてフットサルのトレーニングも良くやっていましたし、ジーコ氏の兄であるエドゥ氏の元で活動していた時にはフットサルの大切さを彼からたくさん学びました。
ブラジルでのプレー経験やブラジル人指導者の指導から感じることは、サッカーという競技を行うにあたり、フットサルの競技的スキルは非常に役に立つと彼らは考えているということです。

ブラジル人がピッチ上で見せる華麗なテクニックの原点には「ストリートサッカーとフットサルがある」と言っても大袈裟ではありません。彼らのプレーを見ていると、ボールを扱う技術とともにSTOP & GOのようなクイックな動きの変化はフットサルで培ったものが多くあります。

また、フットサルの中で良くある「駆け引き」は、サッカーでいうゴール前での駆け引きとリンクすることもあります。ストリートサッカーやフットサルで身体に染み込ませた「動き」がサッカーの中で頻繁に起こる一瞬の反応に対して有効的なのです。

また、フットサルにはそこまでイレギュラーはありませんが、サッカーは天候なども含め非常にイレギュラーなスポーツと言えます。そんなイレギュラーへの反応をフットサルで培うスキルは可能にしてくれます。
そういったことも含め、ブラジル代表として長く活躍し、レアル・マドリードなどでもたくさんの栄冠を手にしたロベルトカルロスがFリーグに加入することによって、彼が入り口となることでフットサル人口を増やすチャンスになることは間違いないでしょう。

興行的な側面では、イニエスタほどの大きなリターンは見込めないかもしれませんが、本格的な競技者やサッカーのトレーニングとしてフットサルの技術を活用する大切さを伝えられることは確実です。
だから、今回のロベカル加入というビッグニュースを、Fリーグ関係者が興行目的だと考えている場合は、せっかくのこのチャンスを失うことになるのではと危惧してしまいます。

これは単純にロベルト・カルロスを知っている世代の問題です。
すでに45歳のロベカルのトップレベルでの現役時代はかなり昔です。その時代の活躍ぶりを知っているようなサッカー好きの人はロベルト・カルロスの来日に強く反応すると思いますが、最近サッカーに興味を持った人やサッカーをほとんど知らないような一般の人は彼のすごさはそこまで知らないはずです。
それが世界中に7400万人以上ものSNSのフォロワーがいるイニエスタとの存在の違いへの理解は必要です。

とはいえ、元ブラジル代表の選手が日本で現役としてプレーするわけですから、そこからサッカーの本質を学ぶことは可能です。というより、必須です。

僕はジーコ氏の兄であり、ジーコが日本代表監督だった時にはテクニカルディレクターとしてサポートしていたエドゥ氏から「サッカーの本質」を教えてもらいました。
それは「サッカーを政治に用いる前にサッカーを純粋に楽しむスポーツにしなければいけない」ということです。
それはエドゥだけの意見ではなく、ブラジル人ほとんどすべての選手たちがプレーの根っこに持っている考え方だと思います。
だから、ロベルト・カルロスはもちろん、イニエスタやフェルナンド。トーレスらがサッカーを心から愛し、喜びを感じてプレーしている姿勢にもっともっと注目すべきだと思います。

日本サッカー界のとって今一番大切なのは、競技的に突き詰めることではなく、彼らが感じている喜びを言語化して、それを未来の選手に広めることだと思います。
「フットサルが教えてくれるサッカーの本質」
「ロベルト・カルロスが教えてくれるサッカーの喜び」
この二点が日本サッカー界に必要な観点だと思います!

最後に、これはあくまでも主観ですが、Fリーガーたちが積極的にロベルト・カルロスに関わり、Fリーガーだからこそ聞ける質問を投げかけ、それを例えばこのリアルアンサーのような形で発信していくことを強く望みます!!

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