「没頭」することで見えなかったものが見えてくる

2018.8.9

livest!編集部

リアルアンサー
2018年8月6日の質問

初めて挑むJ2リーグでオールドルーキーが感じた心構え

今シーズンから水戸ホーリーホックに加入した安彦考真選手にとっては、1年間を通して練習と試合を繰り返す生活はすべてが未知のことばかりだ。そんな中でも、熾烈な戦いに必死に食らいついて行く中で見えてきたものがあるという。

毎年終盤まで順位が入れ替わり、最後まで目が離せない点が特徴のJ2リーグ。現在も多くのチームがプレーオフ進出の権利を得られる6位を狙える位置にいる。

これまでJ2リーグを戦ってきて、長期リーグ戦を1年間戦い抜く上で、選手として必要な心構えは何か? また、このあとプレーオフ進出の権利を獲得するために、チームとして必要となる要素は何か? オールドルーキーの眼に映るJ2という長いシーズンの戦いの中で見えてきた心構えとは?

 

<関連アンサー>

佐藤祥選手のリアルアンサー

「チーム全体が目標を共有し、前向きな姿勢で取り組むことが大切」

http://www.livest.net/real/2549.html

安彦考真選手のリアルアンサー

チーム全体が目標を共有し、前向きな姿勢で取り組むことが大切

今年加入のオールドルーキーが深く語れることではないかも知れませんが、前半戦を終えて僕が感じたことを踏まえて、伝えたいと思います。

選手として必要な心構えとは何か。

それは「没頭する」こと。

毎日練習はたったの2時間です。この2時間にテンションの浮き沈みがあるとすべてを無駄にしてしまいます。練習に入る時には、全ての邪念を取り払い、没頭できるかどうかだと思います。

 

選手にはモチベーションを揺さぶる2つがあります。

それは、勝敗と出場です。

チーム負ければ、自ずとモチベーションを揺さぶられることになります。それと同時にメンバーに入らなければチームの勝敗に関係なく揺さぶられることもあります 。その時、多くの選手が一喜一憂し感情ストレスを溜め思考が壊れます。

僕がこの前半戦してきたことは、先ず自分なりの目標を定め、そこに対する追求でした。人の評価を気にせず、自分の定めた目標に対して追求し没頭できるかどうかです。
サッカーには11個のポジションしかないので、出場できるのは11人と決まっています。出場する11人はもちろん交代を前提にはしていないので、途中で出場することがないこともあります。
要するに、スタメン出ない限り、出場機会に恵まれる確率が非常に低いということです。
となると何を考え、どんな目標を設定するかが大切になります。僕の追求はそこにあります。

チーム状況やメンバー選考で感情を揺さぶられてしまうといつまでたっても、その順番待ちの序列は変化しません。
だから僕は、自分のパフォーマンスに没頭することを絶対命題にしました。
そのパフォーマンスが上がるということは、自分の定めた目標に近づいているということであり、その結果がチームの勝利やメンバー入り影響を及ぼすということです。

チームの勝敗やメンバー入りが自分に影響を及ぼす考え方ではなく、その逆を狙うためには「没頭」することがすべてです。
なぜなら、没頭は「ハマる」ということなので、他のことでモチベーション揺さぶられることがなくなるからです。

チームとしてプレーオフを獲得するために必要な要素は3つあると考えます。

「勢い・信頼・総力」

今の水戸ホーリーホックは若いチームです。特に前線の選手は20代前半で怖いもの知らずの年齢です。相手の恐怖を感じるよりも、点を取りたい、活躍したい欲求は強いはず。その「勢い」をうまく使い「イケイケ」くらいの感じで試合に入ることが重要です。
それは、ここからプレッシャーのかかる大一番が続くので、その度に1試合の重みを気にすると「イケイケ」を失います。

そして「信頼」。
ミスをミスでなくせる仲間がいれば、チームのパフォーマンスは上がります。
どんな状況になっても不信感を抱くのでなく、プレーオフに進出するイメージ本気で仲間と共有して、それを習慣化し、日常化させることで「当たり前」が生まれると思います。
その根っこには信頼は必要不可欠です。

最後は、ありきたりですが「総力」です。
誰かが欠けてパフォーマンスが落ちれば、信頼も揺らぎ、勢いも落ちます。
ここでいう総力とは、誰が出ても同じパフォーマンスということではなく、グループの一人一人が自分の役割を理解して、そこにおけるパフォーマンスを120%出し続けるということです。
代わりを務めるのではなく、自分の役割に対してプロフェッショナルにやり切ることこそ「総力」の根源です。
僕ができることを、僕のできる範囲で他人がやらないことを全うし、チームに貢献し続けたいと思います。

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