リアルアンサー
2018年8月27日の質問
「15歳の選択」サッカー人生を左右する「部活」か「クラブユース」かの二択のヒント
現在、水戸ホーリーホックでプレーする安彦考真選手はバリバリの部活出身。一方、佐藤祥選手はJクラブユースを経由してJリーガーとなった。
サッカーをプレーする15歳前後の大きな悩みの1つに、その後「どこでサッカーを続けるか」という進路の選択がある。もちろんどの選手もすべて自分の希望通りの選択先に進める訳ではなく、進路先が出す条件を満たして初めて成り立つ選択肢だが、本気でプロサッカー選手をめざすプレイヤーにとっては重要な選択となる。
学生時代の環境が対照的な2人に、進路を考えている若きサッカー選手とその保護者の方が、将来について親子で話し合う際のヒントになるように、「部活」と「ユース」の良さや魅力を、自身の経験をもとにリアルアンサーしてもらった。
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安彦考真選手のリアルアンサー
ジェフユナイテッド千葉U-18時代の佐藤祥選手
佐藤祥選手のリアルアンサー
「抜群の環境」と「選手間の競争」がユースの特徴
自分は学生時代は部活ではなくて、ジュニアユース、ユースと、クラブチームの下部組織で育ってきました。なので自分が経験してきた中での「ユース派」としての意見を答えさせていただきます。
まず、ユースの良さや魅力ですが、自分は大きく分けて2つあると思います。
1つはプロを身近に感じれることです。これが1番大きいと思います。
自分が育ったクラブではJリーグ公式戦は毎試合(行ける範囲で)観に行くようになっていましたし、プロの選手と接する機会が少なからずありました。
例えば、下部組織はJリーグ公式戦でのボールボーイを経験できました。これは自分にとっては大きなキッカケで、ピッチ側から見るプロの選手たちは本当にかっこいいなと思ったことを覚えてます。
自分は当時、小学生の時からそのクラブで育ってましたから、そのクラブのトップチーム選手への憧れが強くなってました。その中で、プロ選手のイメージを、こうして見て接した中で勝手に作り上げて、「将来、自分もこうなるんだ」という思いを気付いたら強く持ってました。そのイメージを持てることはユース育ちの1番の特徴であり、良さだと思います。
2つ目は環境の良さです。
これはクラブによって違うと思いますが、部活に比べて単純にグラウンドなどの練習環境などが優れている場合が多いです。
練習着は支給されますし、対外試合のために国内でも遠くまで遠征する機会も多いですし、海外に行くことも多かったです。また、トップチームの練習に参加できたりするチャンスもあります。
このように周りの環境も刺激的で、経験できる質の高さも、魅力の1つです。
ジェフユナイテッド千葉入団時の佐藤祥選手(写真左)
ユースでも「文武両道」も「根性練習」はある
もちろん他にもユースの良さはたくさんあります。
みんな住んでるところも学校もバラバラ、制服がないからみんな私服だし、自立して生きる力もユースだからこそ付くものもあったんじゃないかなと思います。
また、中学生にあたるジュニアユースから高校生のユースへ上がる時には、上がれる選手と上がれない選手が出てきて、更にユースからトップチームへ昇格できる選手がいるかいないかという、競争意識も自然と生まれました。
自分は、学校の成績など、ピッチ外のところも厳しく指導されていたので、もしかしたらユースはピッチ外のイメージはあまり良くないかもしれませんが、今は両立しているところが多いと思います。
でも上下関係は確かに緩かったと思います(笑)が、いわゆる根性練習みたいなことも実際はけっこうありましたし、そこは部活とあまり変わらないんじゃないかと思います。
ユース経験者から見た部活出身選手の特徴
「ユース派」からみた部活の特徴や強さですが、1番は精神力の強さかなと思います。
自分の勝手なイメージですが、共に過ごす時間が学校が一緒なのでユースよりも長い仲間たちと何かを乗り越えて行く力や、そこで生まれる団結力、何かに対してのギラギラした反骨心や向上心むき出しのプレーが強い部活チームには間違いなく多くありました。
そういった意味では、技術とかではなく、ギリギリの闘いのところで最後に力を発揮できるのは部活の特徴、良さなのかなと思います。
佐藤祥(さとう・しょう)
愛称:ショウ / ユニフォーム表記 :SHO
生年月日 :1993.7.22 / 出身地 :千葉県
経歴 :大森SC→ジェフユナイテッド千葉U-15辰巳台→ジェフユナイテッド千葉U-18→ジェフユナイテッド千葉→ブラウブリッツ秋田→ジェフユナイテッド千葉→水戸ホーリーホック
サイズ・血液型・利き手・足 : 174cm/71kg/27.5cm/O/右