サッカー日本代表、ワールドカップ出場権獲得おめでとうございます!
これで8大会連続のワールドカップ出場決定ということで、出場が夢だった90年代以前とは隔世の感があります。
当時と現在のサッカー日本代表とはいろいろな面で大きく違っていますが、私が一番違うなと感じるのは、選手たちの「国際経験の差」です。
ワールドカップ出場をめざしていた頃は、海外でのプレー経験がある選手がほとんどおらず、ほぼ全員が国内でのサッカー経験しかなかった。
世界と繋がっていた経験を持つのは招聘した外国人監督だけで、彼らの指示を守ることだけが世界の扉を開くための唯一の鍵だという状態でした。
しかし、現在のサッカー日本代表は、スタメンはもちろん、ベンチ入りしている選手のほとんどが海外クラブ所属選手で占められていて、個々で普段から国際経験を積み重ねています。
海外でプレーすることで「思考が代表レベルにまで発展する」という観点
住み慣れた日本ではなく、異国の地でプレーするということは、実際の試合や練習ではもちろん、日常のあらゆる面で未知との遭遇の連続です。
日本語が通じ、常識が共有され、阿吽の呼吸でなんとかなる状態から、全ての意思疎通に手間がかかり、日々悪戦苦闘しなければならない状態の中で、しっかりとサッカーで結果を残すという難しいミッションを、彼らは当たり前のようにこなしています。
人間の脳は、生命が生存するため、外部環境に適応する能力を高めるという目的のために進化してきたと言われています。
いわゆる「ストレス対応」を積み重ねることが、人間の思考の進化の原動力となったということです。
日本で暮らし、同じ街の同じ家に長く住み、同じ職場で同じような仕事を続けていると、日常で、危機を感じる機会はどんどん減っていきます。
特に日本は安心して暮らせる環境のため、夜にイヤホンをしながらスマホを眺めて歩いていても、いつの間にか無事に家にたどり着くことができます。
そんな安心安全な状態でずっと暮らしていると、脳はルーティンに慣れてしまい、新しい思考を展開しなくなっていくというのは想像に難しくないでしょう。
それは、きっとJリーグでプレーしている選手たちにも当てはまることかもしれません。
「上手い選手が海外クラブに行く」という思考だけでなく、海外クラブに行くことで、技術や経験だけでなく、思考が発展し、結果的に代表に選ばれるレベルの選手に成長する、という観点も大事だと考えます。
ルーティン化、固定化に慣れた思考が新しい発想を妨げる
私たちは、日々たくさんの情報にさらされています。
スマホを眺めれば、さまざまなニュースや記事やSNSの投稿や動画が次々に目に入ってきます。
脳はそれらを処理するために必死で稼働しているはずです。
そのぶん、外の世界に対するアンテナはどんどん鈍くなっていっているはずです。
毎日通る通学路や通勤の道で、あなたは今日、何かいつもと違う光景を発見しましたか?
桜の蕾が膨らんでいることに目を配りましたか?
合理的、コスパ、タイパばかりを優先し、そのぶんネットから情報を得ていると思っていると、思考はルーティン化し、どんどん固定化し、新しい発想をしなくなっていくでしょう。
スーパーで食材を買うにも毎日が冒険のような環境で暮らしている海外でプレーするアスリートたちの脳が受けているストレスは、脳の発展につながり、思考の幅をどんどん広げていきます。
その積み重ねが、プレー中の判断力や、咄嗟の時の対応力にもつながっていくはずです。
現在のサッカー日本代表選手たちの堂々とした立ち振る舞い、過度に胸を張ることなく、自然体で日の丸を背負って戦う姿勢は、ただ「サッカーがうまいから」だけでは決して身につかないものだと思います。
日常の中で新しい刺激を脳に送り込む意識を持つ
彼らの思考は日々どんどん発展している。
そして、厳しい環境で戦うことで、肉体も技術も精神力も鍛え抜かれていく。
そんな姿を見て、勝利の祝杯をあげているだけではもったいないと思うのは私だけではないはず。
サッカー日本代表の活躍から刺激を受けた今日から、早速、なにげない日常の中で、いつもは見逃している外の世界に少しアンテナを張って、脳に新しい刺激を送り込むことから始めませんか?