第5回|小さく始めるキャリアの再起動――“やってみる”ことで未来が動き出す

2025.4.21

伊部塁 「人生再構成」BLUEPRINT代表

第5回|「未来を変えるために、今を変える」

――BLUEPRINT|伊部塁の人生再構成コンサルティングより

 

「再構成」という言葉には、何か大きな決断や、大胆な変化を伴うイメージがあるかもしれません。

けれど、私がこの言葉に込めているのは、もっと穏やかで、もっと日常に根ざした意味です。

 

それは「自分の中にあるものを丁寧に拾い直し、いまの暮らしや働き方に、少しずつ反映させていく」ということ。

 

人生の方向を変えることは、必ずしも劇的である必要はありません。

むしろ多くの場合、未来は“小さな始まり”から動き出すのだと、私は実感しています。

 

「始めること」と「決めること」は、まったく別の行為

BLUEPRINTのセッションを受けられた方から、よくいただくご感想があります。

 

「何かを“決めなくてもいい”と思えたことで、気が楽になった」

「まず“やってみる”ことにゴーサインを出せたのが、大きな変化でした」

 

これまでの人生では、「決断してから動く」ことが求められてきた方も多いはずです。

けれど、人生の後半を再構成していくときに大切なのは、「まず、やってみる」ことに自分を開いていくことです。

 

それは副業でも、趣味の延長でも、人に話すだけでも構いません。

完璧なビジョンよりも、「動いてみること」そのものが、自分にとってのヒントになります。

 

行動のハードルは、驚くほど低くていい

 

「自分らしいキャリアを再構築したい」

「これからの働き方を変えたい」

 

そう思ったとき、多くの方が無意識に“完成形”を求めてしまいます。

起業プランを練ったり、発信戦略を考えたり、資格を取得しようとしたり。

 

もちろん、それもひとつの選択肢です。

でも、BLUEPRINTで私が大切にしているのは、もっと素朴な行動の始まりです。

 

たとえば:

興味がある分野について、週に1回だけ調べてみる

noteやSNSで、感じたことを少しだけ言葉にしてみる

身近な人に、「実はこんなことに興味があって」と話してみる

 

そうした小さな試みのなかにこそ、“やってみた自分”が感じるリアルな手ごたえがあります。

 

“再起動”は、静かでやさしいものでいい

これまでをがむしゃらに駆け抜けてきた人ほど、人生の後半を「変えなければ」と強く思いがちです。

そして、ビジネスシーンで染み付いた効率的や合理的という視点で、常に選択肢を出し、どれを選ぶのが一番得かと考えがちです。

 

しかし、私たちが提案する「再構成」というのは、即効性優先でも、劇的に生まれ変わることでもありません。

むしろ、自分がすでに持っているもののなかに、「これから」の芽を見つけ、それにやさしく光を当てていく行為です。

だからこそ、再起動の第一歩は、無理なく、軽やかに、自分のペースで始めていいのです。

 

BLUEPRINTが目指しているのは「動ける自分」への回復

私がBLUEPRINTという名前を選んだのは、自分の人生の“青写真”を、もう一度、自分の手で描いていくことを支えたかったからです。

 

一人ではなかなか気づけなかった「価値観」や「得意」や「願い」を、対話のなかで少しずつ言葉にしていく。

そして、いまこの瞬間の自分にできる一歩を一緒に見つけ、そこから“動ける自分”を回復していく。

 

すべての始まりは、たった一つの問いや行動から。

それが、次の物語への扉になるのだと、私は信じています。

 

 

自己内省ワーク|“小さな一歩”を見つける3つの問い

このシリーズの最後に、今日から試していただける問いを置いておきます。

 

最近少しだけ「気になっていること」はありますか?それを誰かに話すとしたら、どんな言葉を使いますか?

過去の自分が「いつかやってみたい」と思っていたことの中で、今なら“少しだけ”できそうなことは何ですか?

今の自分にとっての「軽やかな一歩」とは、何かを始めることではなく、何を“試してみる”ことでしょうか?

 

ノートに書いてみてもいいですし、心のなかでそっと考えてみるだけでも構いません。

 

 

おわりに:再構成は、自分自身への静かな手紙

全5回のこのシリーズを通して、もしあなたの中に何かが少しでも動いたなら、その“わずかな揺らぎ”を、どうか大切にしていただけたらと思います。

 

私たちは人生の途中で、何度でも立ち止まってかまわない。

そして、立ち止まったからこそ描ける「次の章」が、きっとあるはずです。

BLUEPRINTは、そう信じて、これからも丁寧に、言葉と対話を重ねていきたいと思っています。

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。

伊部 塁

関連記事