なぜ、順調だったキャリアをすべて捨て、再出発しようとしたのか?
第5回:小さく始めるキャリアの再起動。副業から人生を整える方法
新しいことを始めたい。でも、どう始めればいいのか分からない。
そんなふうに立ち止まったこと、ありませんか?
あるいは、こうも思ったことがあるかもしれません。
もう一度チャレンジしてみたい。でも、自分にはもうそんな勇気はない、と。
私はコロナ禍をきっかけに、長く続けてきたビジネスの現場から距離を置き、大学に通い直しながら、もう一度、自分という存在を見つめなおしました。
そこには、不安も、迷いも、たくさんありました。
でも今は、こう感じています。
「人生は、いつからでも整え直せる」
そして、より大事なことは「焦らず小さく始める」ということ。
「やる気」より、「やれる形」から始めてみる
キャリアを再起動するというと、どこか「大きな決断」が必要に思えるかもしれません。
たとえば、思い切って起業するとか、会社を辞めて勝負に出るとか。
でも、多くの人がその“決断”の大きさに、かえって足がすくんでしまうのも事実です。
私が学んだのは、やる気に頼るのではなく、「やれる形」を先に用意することの大切さです。
たとえば、
・自分の得意なことを活かして、無料のモニター相談を始めてみる
・noteやブログで、自分なりの視点を発信してみる
・月に1度、友人に小さな講座を開いてみる
そんなふうに、「これならできる」と思えるサイズで、最初の一歩をつくる。
アドラーは言いました。
「困難を克服する勇気は、最初の小さな一歩に宿る」
小さな一歩は、自分を裏切りません。
それは、未来へと続く確かな足がかりになります。
過去の経験は、今の誰かの「助け」になる
振り返ってみると、自分のキャリアの中には、いつの間にか使われなくなっていたスキルや、遠い記憶に追いやられた得意なことが眠っているものです。
でも、その“過去”こそが、今の自分の可能性を支えてくれることもあります。
たとえば私は、編集者として「人の想いを言葉にする」ことに携わってきました。
その力は、いま「キャリア再構築支援」という形で、新たな役割を果たしています。
何かをゼロから始めるのではなく、過去を再編集して今に活かす。
たとえば、かつて人に相談されることが多かった人は、その経験を小さな相談サービスにできるかもしれない。
昔、文章を書くのが好きだった人は、その感性をブログに活かすことができるかもしれない。
ヒントはいつも、“あなたの過去”の中にあるのです。
誰かの「ありがとう」が、自信をつくってくれる
副業として何かを始めてみて、一番印象に残っているのは、小さな「ありがとう」の言葉でした。
原稿を読んで「心が軽くなった」と言われたり、キャリアについてのちょっとした会話の中で「話してよかった」と微笑まれたり。
その一つひとつが、「自分にも人の役に立てる場があるのだ」と、静かに背中を押してくれるのです。
収入では測れない、自信の土台。
それは、誰かの“ありがとう”というシンプルな言葉の中に宿っています。
副業は、人生の「実験室」になる
副業という言葉には、どこか「足りないものを補う」という響きがあるかもしれません。
けれど、私はこう考えています。
副業とは、「自分自身のあり方を試せる実験室」だと。
本業の枠を超え、好きなこと、やりたかったことを、小さく試してみる。
失敗してもいい。形にならなくてもいい。
その過程こそが、「自分の人生をどう整えるか」という問いへのヒントをくれるのです。
人生の後半は、“守るため”だけの時間ではありません。
それまで培ってきた経験や感性を、もう一度“使ってみる”時間でもあるのです。
副業というフィールドは、その“自分で変えていく感覚”を、思い出させてくれるものでもあるのです。
人生は、いつでも編集し直せる
これまで私は、編集者として多くの人の物語を編集してきました。
けれど今、最も強く感じるのは、自分自身の人生こそが、一番大切な編集対象だったということです。
ひとつの章が終わっても、また次の章を書き始めればいい。
過去の失敗も、行き止まりに見えた出来事も、
見方を変えれば「未来へつながる伏線」になり得ます。
だからこそ、どんなに小さな一歩でも、それが“自分の物語”を動かすはじまりになるのだと思います。
最後に:この一歩を「好き」から始めてみる
何かを始めようと思ったとき、「正解」や「結果」を先に探してしまうと、動けなくなることがあります。
でも、どんなことでもいいのです。
・昔好きだったことを、もう一度やってみる
・今、気になることを、人に話してみる
・好きな時間帯に、好きな場所で、ほんの15分、何かに向き合ってみる
そんな小さな“好き”が、人生のリズムを整えてくれるのです。
次のステップへ(ご案内)
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どんなきっかけも、最初は「ちいさな気づき」から始まります。
この5回のシリーズが、あなたの静かな「再出発」の手助けになれたなら、こんなにうれしいことはありません。
人生はいつでも、やさしく、やわらかく、始め直せるのです。