数字に固執すると本当の美と健康が手に入りづらくなる

2018.9.26

livest!編集部

リアルアンサー

体重や体脂肪率では本当のことはわからない。数字のトリックに騙されるな!

「毎朝、最初の日課は体重計に乗ること」という人は多いだろう。数値計測中に昨日の夜に食べた時間やものを思い出し、残念な数値が出た時の言い訳を考えながら、恐る恐る体重計のデジタル表示を見て一喜一憂する。

たかが数字、されど数字。アラサー&アラフォー世代に限らず、特に女性は体重や体脂肪率などの数値に非常に敏感になっている。しかし、その数値にあるトリックが仕掛けられているとすれば……。

「体重や体脂肪率の数値だけで自分の美容健康度を捉えるのはあまり意味がない」とアドバイスしてくれたのは、スポーツトレーナーの田邊大吾さん。その経験と豊富な知識で多数のトップアスリートから指導依頼の入るトップトレーナーの田邊さんは、普段の指導から体重や体脂肪率などの個々の数値をあまり意識しないよう意識的に伝えているという。

「体重や体脂肪率といった数値が上下することに過敏になる人が多いですが、皆さんの本来の理想は体重が減ることではなく、『カッコ良く見えること』『キレイに見られること』なはず」

そう語る田邊トレーナーに、数字のトリックに騙されず、本当の美や健康の捉え方をリアルアンサーしてもらいました。

 

田邊大吾トレーナーのリアルアンサー

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スポーツトレーナー

田邊大吾のリアルアンサー

正しい情報を基にして美や健康を捉えよう

女性の方は体重と体脂肪率を隠したがり、体重や体脂肪率を落とすことを良しとする傾向があります。

実際私が女性のトレーニング指導をする際、体組成を計ることがあるのですが、許可なく数値を見ないように気を遣います。必ず「見ていいですか?」と聞いてから見るようにしているのですが、何故こんなにも女性が体重を気にするのか、いつも心の中では疑問に思っています。

というのも、よくよく話を聞いてみるとどなたも理想としている体重に何も根拠などなく、なんとなくのイメージで数値を評価し、なんとなくのイメージで自分は太っている、痩せているとネガティブな感想を持っているに過ぎません。ほとんどの女性が、“よくわからないけどなんとなく”体重を気にして隠したがるのです。

私が様々な世代の女性とお話して得た結論から言いますと、女性が本当に気にしているのは体重でも体脂肪率でもなく、見た目の「体型」です。その見た目の体型を数値化したものとして、体重と体脂肪率を気にしているわけですが、この体重と体脂肪率の数値には実は数字のトリックがあり、美容や健康の尺度として不十分です。

実際に測定した二人の女性を例にご説明しようと思います。

Aさん(30代): 体重:53kg  体脂肪率:25%
Bさん(20代): 体重:42kg  体脂肪率:31%

2人ともモデル業をされていて身長も同じぐらい、見た目もスラっとしたモデル体型です。身長は同じでBさんの方が体重は少なく体脂肪率は高い、でも決して太っているわけではない。この2つの数値だけでは体型を想像できないと思います。
そこで数値をもう2つ並べてみましょう。

Aさん:体重:53kg 体脂肪率:25% 筋肉量:25kg 体脂肪量:13kg
Bさん:体重:42kg 体脂肪率:31% 筋肉量:15kg 体脂肪量:13kg

どうでしょうか。2人の違いは筋肉量にあることがわかります。脂肪より筋肉の方が重く、また筋肉には血管が張り巡らされ水分を持つので、筋肉量が多ければ体重も重くなります。Bさんは痩せているのに筋肉量が極端に少ないため、体脂肪率が30%を超えてしまっていたのです。
この2人の例から、体重と体脂率が美容や健康を計る尺度としてあまり意味のないことがおわかりいただけると思います。

もしAさんが“体重53kg”という数値だけをみて「私って太っている、痩せなきゃ。」とダイエットを始めたら、せっかくあった筋肉が落ちてしまい健康を損なう可能性がありますし、体脂肪率というのは体重に占める脂肪の割合ですので、筋肉量の減少により体脂肪率がかえって高くなることがあります。
家庭にある体組成計ではなかなか筋肉量や体脂肪量を計ることはできませんが、ぜひ一度は専門のジムやサロンなどで詳しい体組成を計ることをお勧めいたします。

脂肪を落とした方がいいのか、もっと筋肉をつけた方がいいのか、体重は落とすべきか維持するべきか、むしろ増やすべきか。健康で美しい体を目指して、みなさんが正しい情報を基にして、正しい方向に日々の食事や運動を見直していただけたら幸いです。

田邊大吾

1987年7月10日生まれ・東京都出身。佼成学園高校→カリフォルニア州立大ロングビーチ校運動科学科→東京衛生学園専門学校

高校卒業後アメリカに渡り、現地でトレーニングコーチとの経験を積む。帰国後、社会人アメリカンフットボールのストレングスコーチに就任するとともに、東洋医学を学び、あん摩マッサージ指圧師を取得。現在はIWA ACADEMYに在籍し、メジャーリーグで活躍する岩隈久志投手ら、トップアスリートを数多く指導している。

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